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2019年11月28日14:00

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実録小説・シマハタの光と陰・第10章・国会にて

  国会でも野党の社会党議員から取り上げられた。経済が第一の池田勇人首相もさすがに答弁に困り、元気のない返答をした。


  小林武治厚生大臣は


  「日本はもともと宗教性の薄い国民でありますから、深い愛を必要とする福祉関係の人材育成は難しいかと思います」

と返答をして、野党席の議員たちから

  「答弁になっていないだろ」

  「問題をすり替えるのか」

と怒りの野次を浴びせられていた。

  

テレビで国会中継を見ていた水上勉は

  「厚生大臣は何を述べているのか、判らん」

とため息をついた。

 「池田首相にあてたものと同じものを中央公論に載せるから、せめてそこからでも世間の注目を集められたら良いな」

と独り言も言った。



「拝啓,池田総理殿」で始まる長い文を昭和38年(1963年)6月に載せた。その返答という形で、7月には池田首相に代わり、黒金官房長官がシマハタなどへの公金補助を大幅に認める返答を致し、水上は感謝した。




  小林博士は

  「補助金のめどはついたが、相変らず、人材が不足している...」と心の中で次の行動を考えていた...。

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