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2019年11月25日11:53

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僕の心を変え、今も変えて下さっている一人

ハンセン氏病元患者の伊藤まつさん(1908年から1985年)である。何を変えたかと言うと、僕の対女性観である。


   伊藤まつさんと出会ったのは1977年、僕が21歳の時だった。それまでの僕は女性を顔で評価、選んでいた。でも、伊藤まつさんは出会って少しして「私たち(ハンセン氏病元患者)は顔が醜いから嫌われるの。これがハンセン氏病の差別よ」と何度も同じ事を繰り返し言うようになり、顔の事を気にせずに楽しく来てくれる人たちには深く感謝もした。僕も顔の件について考え込むようになった。「顔」という自分ではどうにもならない事で差別され、口には出さないが、伊藤まつさんの心は明らかに傷付いている。何なのかと。顔にこだわる事も恐ろしく、悪い事だと次第に思うように。対女性、更には、全ての人は心が大事だと気が付いたわけです。


  以上の事に近い脳性まひを持つ女性の証言も1983年に聞きました。「男たちは顔で女を選ぶ。だから、顔が歪む事の多い脳性まひ女性は恋愛や結婚から差別される」。証言した時はすでにその人は既婚でしたが、独身時代のそのような差別が心の傷に強く見られ、伊藤まつさんも連想し、更に僕は考え込みました。

  伊藤まつさんは1985年に昇天し、以上の脳性まひを持つ女性とも付き合いは元々なかったですが、それを忘れられず、90年以降に書くようになった子供向け文は時々宇宙人の事から「様々な顔の宇宙人がいる事でしょう。我々から見て醜いと感じられる顔の宇宙人もいるはずです。でも、人間は心です。顔で相手を嫌ってはいけません」みたいな事を繰り返し書いています。もし、以上の二人の人の怒りや悲しみの声を聞かなければ、そのような事は書いていないし、又、子供向け文自体も書かなかったかもしれません。それだけ、特に伊藤まつさんの話は印象に残ったわけですね。

   今のSNS交際。僕は身体障碍の姿も多くの人たちに見てもらうため、写真も多く載せていますが、日本人は大体は写真を載せませんね。一つには、面倒くさい為もあると思います。時間がないとか。でも、顔が見えなくても、同性間でも価値観が通じれば友人にはなれるし、男女ならば、相性次第では、それ特有の細かい感情のやり取りもできると思います。例え、異性の相手の顔が見えなくても。特に、女性は顔写真も投稿しない例が多いわけですが。考えてみれば、中東のイスラムの女性たちもそうですね。ベールで顔を覆い、結婚するまで相手に顔を見せない。イスラムの決まりらしいし、他に高熱乾燥でそうしないと、微妙な女性の顔の肌が荒れる面があるからかもしれませんが。とにかく、昔から世界には顔が見えない男女交際もあるわけで、それも「心が大事」だと思います。(日本でも、平安時代の貴族女性は結婚するまで、相手に顔を見せなかった)。

  今の僕もそのような付き合いができている。元を正せば、一つには伊藤まつさんがあのような事を訴えてくれたお陰でもあると思います。もし、SNSから結婚縁ができれば、遠いまつさんのお陰にもなってきます。非常にありがたい人です。因みに、生前のまつさんは僕の妻の姿も見たくて、「良い彼女が見つかるように」と神様に祈ってくれていました。...。

  ハンセン氏病差別の理由は諸説があり、今の日本は「国家犯罪」という事が強調されています。これも大切ですが、それを述べるには医学と法律の非常に深い知識が必要。僕には述べられる事ではありません。でも、「顔」ならば専門知識は必要ないから、僕でも述べられるし、以上の通り、男女交際・恋愛・結婚という、僕含む、全ての人たちに大切な問題にも通じているわけです。伊藤まつさんと付き合って、良かったと思います。感謝です。

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