旧友たちにあてたもの・全生園に行ったいきさつ

　　確かに、自分が絡まない事柄はできないし、それどころか、交友もできないね。ムリにすると、偽善とか、意志疎通難からケンカになる。又は、自滅だね。
　　７７年にＶＹＳという福祉会で全生園合宿したが、その時、園内を移動しながら、たまたま顔を合わせた元患者や職員たちに対して、僕も、ＶＹＳの人達もわざとらしく挨拶してしまう。普段は道の中で通行人にそのような事はしないのに。おかしいと言い合った。確かに、その会には医学生や看護学生はおらず、自分が絡んでいない訳だから。付き合う気持ちさえもないわけよ。
　　でも、当時は若かった事もあり、自分が絡まない事はできない事を誰も知らなかった。全生園を紹介した会員のカトリック信徒で、法学部のＲ子さんという女性も同様だった。付き合う事は単に良い事だと皆思っていた。しかも、そのＶＹＳ理念書なるものには「弱い人と友人になります」という条項もあった。ならば、Ｒ子さんは「良かれ」と思い、紹介したが、結果は悪く、後で元患者たちにごってり怒られ、再起不能みたいな心の傷を負った。
　　伊藤まつさんは外出がお好きだったから、それを接点に交友もできたわけだ。
　　僕が日本のハンセン氏病の事を知ったのは、２１世紀になり、新聞経由で。書くとして、その請け売りになる。請け売りは良くないが、新聞は最悪。何故なら、日露戦争のように、新聞が社会を悪くした例はいくらでもあるから。その請け売りは、素材が何であれ、大罪になる。新聞も戦争犯罪の一つだし。
　　そんなところです。