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2017年02月28日13:59

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初めに揺らぎありき

  ホーキング博士によると、今から120億年くらい前に何かの「揺らぎ」が起き、そこからビッグバンが生じ、時空も生まれ、この宇宙が形成されていった。何とも摩訶不思議な科学学説である。


  真の友人関係や恋愛、結婚縁も、何かの創作活動もそのようなものかもしれない。早い話、例の初童話の「お餅を食べたクマさん」も心の中のゆらぎが最初にあり、それから急に筋も浮かび、即興的に書き上げたわけである。「ゆらぎ」を明確に説明しろと言われても、できないわけである。「ゆらぎ」は揺らぎだと言うしかない。揺らぎがない状態で、いくらクマの写真を見たところで、あの童話は書けなかった。

  大事な人たちとの深い付き合いも「揺らぎ」が双方の心の中にまず浮かび、関係・絆ができている。昨日はその短歌を御紹介させていただいたハンセン氏病元患者の伊藤まつさんとの出会いの時もそうである。今でも僕は明確に覚えているし、伊藤まつさんも昇天するまで覚えていたと。何も伊藤まつさんに限らず、大切な人たちとの出会いの時は必ずそのようなものが起きているわけである。

  新約聖書の中に「初めに言葉ありき。言葉は神」という箇所があるが、それは「誤訳」だとラジオで聞いた事がある。聖書の原典のその個所は「初めに想念ありき」だったそうだが、昔のローマには想念という言葉はまだなく、言葉というものに置き換えられて、代々伝えられているとか。確かに、言葉を発する前に誰でも想う。その面から考えても、「初めに言葉ありき」はおかしいと思う。でも、想念以前に「揺らぎ」があると考える事もできる。「初めに揺らぎありき。揺らぎは神」という文句も成立すると思うようになっている。

  いずれにしろ、伊藤まつさんとの出会いの最初の気持ちを述べられて良かったし、精神障碍を持つ例のX君との出会いでも同じ事があったわけである。「揺らぎ」は言葉にはならないが、大切である。

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