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2016年08月22日11:49

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マルクス主義が出た背景の資本主義の問題

 人間には資本論の完璧な解釈はムリだが、そのようなマルクス主義が出た理由は資本主義には矛盾が多いからである。ならば、マルクス主義を恨んでも始まらないと僕は思う。むしろ、彼ら以上に資本主義の矛盾を見据える事が肝要かと思われる。
 M・ウェーバーによれば、資本主義はプロテスタントの「勤勉や禁欲」の精神から出たという。より良く学び、良い製品を作り、より多く儲けつつも、禁欲精神で設けたお金は使わず、資本蓄積として事業拡大に使い、更に大きな利益を得る。利益は以上から神に与えられたものだと解釈して。確かに、16、7世紀のヨーロッパ諸国、特にオランダなどはそのような気風が強かったと思われる。でも、特に、19世紀以降のイギリスの爆発的な資本主義拡大や、マルクスが指摘した労働者を搾取してまでの儲け主義は説明できない。歴史を見ると、以下の事もあったかもしれない。
 大体、16世紀末だろうか、イギリスではヘンリー国王の離婚問題から英国国教会がバチカンから独立。ヘンリー国王は性欲しか能がないような人で、好きなだけセックスした。王様がそうすれば、貴族や富裕層も。カトリックの禁欲から解放されて、フリー・セックスみたいな気風ができた。でも、性欲追及も限界がある。飽きるし、体力以上はできない。それゆえ、欲望を物やお金に向けた。英国国教会は禁止事項はなく、貴族や富裕層は海外貿易から物欲や金欲を満たしていった。グルメ、美術品収集、毛皮、はく製と。貿易商はお金を。インドや中国で取れるお茶や、カリブ地域の砂糖なども。結果的に植民地支配にもなったし、国内でも儲け仕事を始める人が多くなり、「労働者搾取」。また、その結果、テクノロジーも発達し、イギリスは軍事力も世界一になった。次第に、今に近い経済構造の社会にイギリスはなっていった。それが世界に次第に広まったわけである。恐らく、M・ウェーバーはイギリス国教会の事はよく知らない人だろう。だから、資本主義の初期の事しか書かれていないと。
 歴史を変える事はできないが、物欲や金欲を放置した英国国教会の問題も見過ごせない。とは言え、お金は大事だし、物欲も否定はできない。でも、その2つにこだわるのはいかがなものかと。歴史を見て、2つにこだわる愚かさを悟る事から始めないといけないと。その事はマルクスは何も指摘していない。20世紀初めに夏目漱石が見たイギリスは、物質的には豊かなのに、人々は猛烈に寂しく、不幸に見えたという。信仰心も失われていたとか。
 勿論、僕はキリストではないし、新しい文明価値観は提示できないが、少なくとも、近代以降のイギリスの歴史の歩みはおかしいと思うし、マルクス主義以前に、イギリス史をよく見ていきたい。

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