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2016年08月12日11:16

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特別意識の問題

 S園でボランティアたちのしていた事は単なる手助けだったのに、福祉活動という名前を使うなど、特別な事をしていると思いこみ、中には、そこから社会変革を唱える人たちもいて、関係者から嫌われた。本当に手助けから社会変革ができるのならば、それこそ、機会の多い家族・親戚関係の手助けから社会変革すべきだと思う。その様子を世間に伝えて。誰も考え付かないし、具体的な方法もないし、変えるべき社会ヴィジョンも思い浮かばないだろう。僕も筋ジストロフィーを持つ一同級生との関わり合いからは社会変革の事は意識もしなかった。S園行ったボランティアたちは、「ボランティア」という日本語に翻訳が難しい言葉から、自分は特別な事をしているという意識を持ってしまったようである。そうなると、仲間内にしか通じない話ばかりするなど、会自体も狂ってくるようである。思い出すに、ユダヤ教でもないのに、あるボランティア団体の理念書には「選ばれた者の自覚」とか書いてあった。誰が選ぶのか。その人たちも天の下の一市民には違いないのに。「天は人の上に人を作らず。人の下に人を作らず」ならば、天は人を特別には選ばないのに。
  やや違う例かも知れないが、ハンセン氏病も特に日本では「特別な病」と昔からされているようである。世間も、元患者自身もそのように思っている。「ハンセン氏病の人は神に選ばれている」と述べたクリスチャンの人もいた。おかしいと僕は昔から思ってきた。むしろ、元患者含め、特別意識がある事が差別解消を妨げていると。ほぼ同じ考え方を持つ無教会伝道師の人もいた。「感染性は結核の方がはるかに強い。今(80年前後)の全生園などにいる患者は無菌であり、身体障碍者だ。ならば、ライ予防法は撤廃して、身障者扱いし、身障手帳も与えればいいのに、自民党政府はやろうとしない。自民党はおかしい。無菌状態の人に同情するボランティアたちもおかしい」と激怒していたのを思い出す。その通りだったし、先駆的な見方には思い出し、頭も下がると。元患者含め、ハンセン氏病に対する特別意識を消さない限りは、日本のその問題は解決しないだろう。世界的に見ても、今の時点で、ハンセン氏病を特別扱いする国は日本と中国くらいらしい。日本は遅れていると。
  また、僕はよく判らないが、1980年ごろから広がったエイズも、ハンセン氏病とは別の意味で、世界的に「特別な病気」となっているようである。これは性関係の偏見も絡んでいるから、根が深いかもしれない。
  いずれにしろ、何かに特別意識を持つと、問題が狂い、それが消えるまで解決はできないようである。困った事だと。探せば、そのような例はいくらでもあろう。

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