mixiユーザー(id:17922359)

2015年08月11日13:13

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「ハイル・ヒットラー」の背景を考えよう



  皆さんの中にも同じ想いの方がいらっしゃるかもしれませんが、何故、1930年代のドイツ国民はヒットラーを崇めるようについていったのか。僕も昔から判らず、考え続けています。ドイツとは違うとは言え、日本が同じころに軍国主義に走った事を見るヒントにもなるので、今の時点で思っている事を書きたいと思います。

  一つには、経済もあると思います。第一次大戦で敗戦国になり、法外な賠償金を多くの戦勝国に支払させられ、ドイツ国内では猛烈なインフレになり、国民の生活も破壊され、外国と(経済を支配していた)ユダヤ人を憎むようになったという。

  経済面は無視できませんが、ヒットラーの演説は内容が支離滅裂です。論理的ではない。そのような演説をする政治家に、飢えているとは言え、国民がついていくでしょうか。経済だけの理由ならば、もっと経済的に貧しかった戦後の長い期間のインドやバングラディシュでもナチスみたいなものが台頭するはずなのに、そうではなかった。それゆえ、経済は大事ですが、それは原因でもない事も判ります。

  一番の理由は国民の多くがまだ封建時代の意識をひきずっていた事にあるのかもしれません。封建時代の社会を考えてみて下さい。王様や殿様が国や地域を支配し、王様や殿様とその重臣たちだけが政治や経済、外交、軍事を決め、それに頭を使った。地主や、工業の親方が、作物や製品の作り方を指示し、農民や職人たちはそれにただ従うだけだった。考える必要もないから、何も考えなかった。「考えない民」が全体の95%はいた。そのような人たちは「従う事」しか能がなかった。次第に学校教育は受けたものの、内容は読み書きと計算くらいだった。

  お国により、若干違いますが、これが「封建社会」です。その封建社会はヨーロッパではイギリスが早くに崩れて、個人も考える近代社会に移行していったようです。自分の生き方は自分で考えて決めるという。でも、ドイツはいつまでも封建制が残った。20世紀初めでさえ、皇帝が政治をしていた。封建社会だった。それが第一次大戦で負けて、ワイマール憲法という民主的な憲法を持っても、ほとんどの国民は使いこなせませんよ。「人権って、何だ」みたいになって。自分で自分の生き方も多くの国民は決められない。そこに、かつての封建時代のように、何でも指示してくれるナチスが。ヒットラーの演説はおかしくても、人々はついていきますよ。

  話は戻りますが、封建時代、多くの人民は領主など、上の人に従う事に強い快感を得ていたそうです。現代人の恋愛感情よりも強烈な感情だったとか。ならば、1933年以降、「ハイル・ヒットラー」と多くの国民は強い快感を伴いながら言い、従った。このような察せられます。現代人には見られない感情ですね。でも、ヒットラーは実際は暴君で、あのような事をしたわけです。

  日本の封建社会の構造はドイツとは違っていますが、やはり、1868年までは封建社会が続きました。日本の事を考える参考にも以上はなるわけです。

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