５３−１１ 自由意志について��
今まで思い当たるごとに、自由意志について触れてきた。自由意志はとても重要なポイントである。白光誌の法話に登場する頻度は極めて高い。その割には、口頭の法話では少ないようだ。会員同士の会話でも取り上げられることは少ない。内容的に厳しいところが敬遠される理由だろうか？また、既存の宗教でも自由意志を取り上げるところは少ないように見える。だが、その重要さ故に、自由意志について語られていることを網羅的に整理しておきたい。
自由意志は神と人間との関係について根源的なものである。固定観念から、監視する神、褒美あるいは、罰を与える神、気に入られるあるいは、縋り付けば救済してくれる神、人間より高いところに祭り上げられた神等々のイメージが根強い。我々は固定観念を排し、自分と神の関係を正しく理解しなければならない。神を認めない人が多い中で、神を信じているのだからそれで良しと思わないことだ。
自由意志について古くは、93年に法話のなかで取り上げられた。
神は沈黙している
『神は我々に自由意志というものを与えられた。この人間の自由意志には、神に対立することの自由から、神そのものの本質と一体になる自由まで大きな幅がある。
人間に一切の自由を与えた神は、人間自らが選んだ自由意志に対しては何ら関与しない。神は沈黙したままである。ただじっと我々人間のやることを眺め、見つめているだけである。
だから我々の運命を最初から最後まで決定しているのは、我々自らの自由意志のみなのである。』(93-06)。『宇宙神はすべての人々に自由性と創造力を平等に与えている。しかし、これはあらゆる宗教にとってあるまじきことなのであった』(06-06)
自由意志は最大の贈り物
この自由意志人間にとって極めて特別なものとされる。この自由意志は神から与えられた試練ではない。『自由意志による選択こそ、神から与えられた特権なのである』（93-06）。『この自由意志とは、人類にのみ与えられし素晴らしき力です』（96-11）。『絶対なる神は我々に独自の自由を与えられました。自分が望むものならば何にでもなれて、自分で何でも自由に選べて、自分で何でも自由に考え、その通りに運べる力を与えられたのです。そして自分の望む通りの人生を創造する権限を与えられたのです』(96-12)。『神が人類一人一人に与えた生命の権利、自由と創造ほど尊いものはない』(00-04)。
『人類一人一人に与えられし自由意志、これこそ神からの最大の贈り物である。神人はこの自由意志を最大限に生かし、すべてを大光明、完璧なるものへと自らのエネルギーを注いでゆく』(04-08)。『自由意志は、人類一人一人に与えられている素晴らしい叡智である。ゆえに宇宙神は、人間の意識や心を決してコントロールなどなさらない。たとえ、その自由意志が善にも悪にも応用されようとも、人類一人一人の責任と、自由意志を尊重しておられるのである』（06-01）。
運命を決めているもの正体
この自由意志は自立の根底である。自由意志は因果の法則などよりも高次元の領域にある。『あくまでも自分の運命は自分の自由意志によって決めるべきものだからである』(93-06)。『すべての人類に当てはまる唯一の真実は、人の運命はあくまでもその人自身の自由意志の結果であるということである』(93-06)。『人類は皆一人残らず、自分の意思決定の如何により、自らの運命を善きほうにも、悪しきほうにも導くことが出来るのである。 この自由意志というものには、すごい権限がある。真に人間を動かしているものの正体は、自由意志である。 結果に導くのは、他の人でもなければ、神でもない。あくまでも自らの自由意志によるものである。そして、この自由意志は、とてつもない力を秘めている』(04-04)。
果因説
因果の法則より高次元にある自由意志を使いこなす。それは果因説を使いこなすことである。因果律のみならず、世俗でよく言われるＤＮＡ決定論（遺伝の法則）、環境決定論、幼年期の体験による決定論、歴史的決定論は人間の自由意志より強い要因があることを前提にしている。果因説はそれらをすべて超える真理である。
『因果律の解釈では、人間は全く自由意志がないということになる。 現在や未来は過去に起こったことから生じる必然ということになる。ただ黙って受け入れるしかない、ということになる。 これでは人間としての創造力、個の尊厳、個の自由意志が全く無視されることになる。 この果因説は全く過去の因縁因果とは無縁で生きられる方法である。過去の因縁で未来は決まらないのである。これが判れば、過去にこだわる必要がなくなるのである。自分の現在も未来も、自分の自由意志と創造力によって、いかようにもつくり出して行くことが出来るのである』(07-06)。
我々の天命は、因果の法則を甘んじて受け入れて行くことではない。因果の法則を人類に知らせ解らせてゆくことでもない。因果の法則ではなく、我々は人類次の真理を知らせなければならない：
『因果律を手放すことは可能なのである。』(10-01)
『“これこれの悪業を為しつづけてきたから、よってその償いや報いを受けなければならない”という法則は本来ないのである。』(10-01)
自由意志は尊い。それは自分自身を尊び敬ことである。そして、我々の天命はその自由意志を使いこなす、つまり果因説を使いこなすことである。
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