５０−１２ 全託と自立��
全託への道は、『肉体人間や、肉体人間の知識や能力に依存している考え方』の否定がその前提にあった。そして、目指したのは、守護の神霊との一体化による内部神性の顕現であった。現われてきた事象、感情想念を「消えてゆく姿」と見定める。このプロセスでは、理性の力、肉体人間の力では何もできない。守護の神霊の救済力に委ねることは重要である。
まさに、イエス・キリストが言う通り、「汝ら思い煩いて身の丈一尺を加え得んや」(マタイ6:27)である。
しかし、『肉体人間や、肉体人間の知識や能力に依存』することを否定するあまり、人間側の努力工夫すら否定されることが起き始めた。守護の神霊への感謝と全託は、あくまでも内部神性を開発するバイパスであった。それが、外なる神への依存にすり替わることが起き始めた。今一度、真の全託は外なる神への依存ではないことを見直すことも必要である。
また、依存というものは宗教だけのものではない。自己の神性を忘れた自我は、そもそも自信がない。自我は外なる神だけではなく、優れた人、組織、国家、物質に自己の権能の力を与えていった。そして、それらに依存する傾向が強かった。それでいながら、肉体人間の知識や能力、理性の力を過信した。その過信に気づいた人が、全託への道を目指すとき、否定的な意味での他力本願に陥ってしまった。その他力本願の生き方は自立ではなく依存の生き方であった。
他力本願の人、つまり自立ではなく依存する人は「五井先生が世界を変えて下さり、その結果を我々に見せて下さる」と想っているようだ。神性顕現に向けて努力するのは当然ながら、自分自身である。すべての人の本性は、間違いなく神性である。『聖なる泉はあなたの内にもうすでにあるのだ。だが発掘作業はあなた自身がやらなければならない』（90-05）。そのための最新ツールが我即神也のイメージを伴った神性復活目覚めの印である。何事も「天命を信じて人事を尽くせ」である。「五井先生の教えは他力である。自力で努力するのはおかしい。祈っていれば、そのうち何らかのいいことがある」ではない。
では、人事を尽くすとはどういうことなのか？どの状況、瞬間であれ、“今”という瞬間に過去を持ち込まないで、未来に向かうことである。『限りなく“今“という瞬間を、果因説（素晴らしく輝かしい自分の未来を創造してゆく想像力）に基づく生き方に徹する』(08-04)ことである。「神の絶対性、全能性、大愛」の内にある神の子としての自分の姿を思い描く(想像する)ことである。「すべては完璧 欠けたるものなし 大成就」を思い描くことである。
「宇宙神の光に包まれている私を侵すものはない」。神の大愛に対立する力など、自分が認めない限り何もない。宇宙神は我々を神ご自身と同様に完璧な神性として、神霊として定めて下さいました。我々はこの宇宙神の真理、秩序の中で生きて行くのです。この法則、み心が天に行われるように、地にも行われることだけを望みます。私は神の姿、神性だけを顕現して行きます。この大愛の宇宙神のみ心に全てを託して生きてゆくのです。この全託を叶える方法が、果因説による神性復活の印である。自立した神人の印である。大成就。
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