寝られる子は育つ

「俺さ、夜布団に入ってもなかなか眠れないんだよね」
「あ、そうなんだ。じゃあ、羊を数えてみたらどう？」
「やってみるんだけど、羊の数が必ず日本の人口を超えちゃうんだよね」
こんな筋金入りの不眠症の方もいらっしゃるんじゃないかと思います。


人にとって睡眠が大切なのは言うまでもない事でして、
体内の免疫システムなどを整え、病気を防ぐためにも必要不可欠なものですね。


年齢によっても必要な睡眠時間は変わってきます。
赤ちゃんの場合は十六時間必要だと言いますから、ほとんど【寝たきり幼児】ですよね。
十代の若者は九時間、大人でも七、八時間の睡眠が必要とされてるんですね。


アメリカでは五〜七千万の人々が睡眠障害に苦しんでいるそうで、
これは全世界の睡眠障害を患っている方々の約二十％を占めていると言いますから、
不眠症の本場という感じですよね。


「先生、睡眠不足になると、どんな症状が引き起こされるんですか？」
「それはですね、まず記憶障害がありますね。
それから他には・・・え〜っと何だったかな・・・」
この先生も不眠症なんでしょうね。


記憶障害の他にも【ホルモンバランスの乱れ】や【頭痛】、
【体重増加】【鬱病】なども引き起こすそうですから、侮れませんよね。


なかなか眠れないのは辛いものですが、
アメリカ海軍が実践している『二分で眠る事ができる方法』というのがあるそうですね。
これは、いついかなる時、どんな条件下でも眠れるようにというもので、
訓練を受けた候補生の九十六％が効果を上げているという事ですから優れものですよね。


この方法は、心と体を睡眠に導く五つのステップがあり、
まず最初のステップは、ベッドの上で横になり、
顔全体の筋肉、舌、顎、目の周りの筋肉という順で力を抜いていくんですね。
自分の額からシワが消えて平らな状態にするように心がけるわけですね。
「力を抜いてもシワが消えないわ！」
こういう方は不眠症ではなく【加齢】ですからね。


次のステップは、できるだけ肩を落とすようにするんですね。
そうする事で首をストレッチさせ、緊張を解く事ができるんですね。
「営業成績上がらないし、給料も増えないし、課長には怒られてばかりだしな・・・」
なんてな事を考えれば、確実に肩が落ちますから、お試しいただきたいですね。


そして腕の上腕、前腕部分をリラックスさせるんですね。
さらに手と指もリラックスさせますが、この時、マツコさんの事を考えてはダメですよ。
それはリラックスじゃなくて【デラックス】ですからね。


三つ目のステップは、呼吸を繰り返して胸の緊張を解いていき、
四つ目のステップは、下半身のリラックスです。
最初に太ももから力を抜いていき、ふくらはぎに移り、その後足首ですね。


そして最終ステップは、心をリラックスさせる事ですね。
そのためには、リラックスさせるイメージを頭の中に想像させる事が大事ですね。
「具体的にはどうしたらいいんですか？」
「例えば、穏やかな湖にボートを浮かべ、
ただただ青い空を見上げてまどろむ感じを思い浮かべてください」
「先生、私泳げないんで、ボートの上は緊張しちゃうんですけど」
「では、真っ暗な部屋の中で、
柔らかなハンモックに包み込まれているイメージを思い浮かべてください」
「先生、私は暗いところが苦手なので、電気はつけっぱなしじゃないと眠れないんです」
こういう神経質な方は、睡眠への道のりは、なかなか険しいのかもしれませんね。


微笑亭さん太