タマタマ、そういうことになりました

野球部などスポーツ系のクラブに所属している高校生は、
始業時間より前に行う朝の練習、いわゆる朝練に行くのが大変だったりしますよね。


朝に弱い子は、たびたび遅刻して、顧問の先生に怒られたりしましてね。
「何で朝練に遅れたんだ？」
「すみません、寝坊しました」
「また寝坊か？お前は本当に朝に弱いんだな」
「いえ先生、朝に弱いんじゃなくて、朝が強すぎるんです！」


野球に励む高校生を一般的に【高校球児】と呼びますが、
球児と呼んで子供扱いするのは不適切ではないかという疑問を抱いた一人の男子高校生が、
【球児】の呼び方の変更を求める署名活動を
インターネット上で始めたなんて事がありましてね。


呼びかけ人は東京都内在住の十八歳の男子高校生なんですが、
本人も幼い頃から野球一筋だったそうですね。
「ウチの高校、予選は一回戦敗退だったんですが、
翌日の新聞に『球児、涙のむ』と書かれているのを見て違和感を覚えたんです」
「なるほど・・・じゃあ君も、野球をやってるんですね」
「はい、ボクも高校球児です！」
ハキハキと答えてくれたそうですけどね。


球児に使われる【児】の字は、広義には十八歳までの子供を指すんですが、
一般的には四、五歳までの幼い子供を指して使うことが多いですよね。


また、同じ漢字を使った【児童】も学校教育法では、
満六歳から十二歳までの子供を指すので、確かに高校生を
【球児】と呼ぶ事は不自然かもしれませんね。


じゃあ【高校球児】を止めたとしたら、
代わりに何と呼ぶかという話になるわけですが、
発起人の彼は新しい呼び方として
【高校球男（たまお）】というのを提案してるんですね。


「『球男、涙のむ』だったら違和感ないですよね？」
「女の子で甲子園目指してる子もいるよ！
球男という呼び方は差別じゃないの？」
「では、女の子は【高校球子（たまこ）】と呼びましょう」
「球技は野球だけじゃないよ！
球男に他の球技選手が含まれないのは差別じゃないの？」
こういう問題は突き詰めていくと、ますますややこしくなっていく傾向がありますよね。


もしもこの呼び方が正式採用された暁には、
昨年、応援歌の【お前問題】で物議を醸した中日の与田監督あたりが黙っちゃいませんよ。
「球児が不適切という事なら、阪神タイガースの
【藤川球児】選手の名前も不適切じゃありませんか？」
このクレームを受けた阪神は、藤川球児選手の登録名を
【藤川球男】に変更するのは確実でしょうね。


微笑亭さん太