ひっそり閉店したカフェ　　　五味カシン

マンションの管理理事会で、使用していた駅近くのカフェ。
少し遅れて、店に行ったところ、ドアが開かずに不思議に思っていたら、
理事会を主催する管理会社から、電話があった。
しばらくして、担当者が到着し事情がわかった。

数日前から、予約をしようとしたが、電話が繋がらず、
来店しても、新聞が店内に投げ込まれていて、夜逃げ状態とのことだった。
今さっき別の店に、他の理事会役員を案内したとのこと。

昨年9月、店が改装中に、場所だけお借りしたが、
店主のママの近くで、まだ小さな娘さんが、一人ゲーム機で遊んでいた様子が、何だか寂しく感じたことを思い出した。
賑わう大手カフェがひしめく駅前の華やかさの陰で、目立たずひっそり閉店したカフェに、現実の厳しさを感じ、
内心親子に、「頑張って！」と願いつつ、皆が待つ店に向かった。