昨日、大久保病院での定期検診で、医師が僕の血液検査のデータを見ながら言った。「こ、これはすごい! 笹川さんの血液は中学生並みにキレイですよ、素晴らしい」と。
医師はまるで自分のことのように喜び、笑った。
そんな医師に僕は言った。
「血液はキレイになっても、腹ん中は真っ黒のままです」と。ほんのジョークのつもりだった。
だが、その途端、医師の表情からは笑みが消えて、能面のように感情が失せたと思ったら、こう言うのだった。
「そこはご自分で治してください。私の職務ではありません」
・・・元ボクサーであった医師の本性が出たような気がした。この人の腹の中もまた、僕と同じで真っ黒に違いない、と思った。
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