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日記一覧

ゲストハウスに戻ると、昨日私を客引きしたここの息子が、カンゼゴンパ(甘孜寺)に連れて行ってあげる、と言ってくれた。彼の名はゾンボ。私と同じか、一つ年上だった。ゾンボと幼なじみのローファンユンも一緒について来た。甘孜の中心から少し離れた高台に

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天草・歴史の幻影ー53麟泉もその利にあずかろうとして、宣教師派遣を願った。それに応じて、ルイス・デ・アルメイダ修道士が志岐に上陸したのが永禄九年(一五六六)。天草キリシタン史の開幕である。アルメイダと麟泉の対面は、私たちが今通りかかっている

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9月26日 クンサン。彼が胸にかけているのは、菩薩か観音か何かのペンダント。その後ろに少し見える黄色い太い紐で、携帯仏壇「ガウー」を斜めがけにしている。ガウーというのは、握りこぶし大の金属の箱状の入れ物で、その中にダライラマの写真(中国影響

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天草・歴史の幻影ー52一、志岐とキリシタン●天草のキリシタン開教 「富岡へ行く前に、志岐と富岡の地形を目に入れていただく方が便利です。それには志岐山がいいでしょう」 私たちの案内者・苓北町役場の北武敏氏が、坂瀬川の「四郎乗船之地」から車を志

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もっと奥へ、もっと高く。容赦なくバスは進む・・・ 9月26日 高度とともに、テンションも上がる。 彭措とのあっけない別れの悲しみと、4300mの峠越えによる高山病の吐き気・・・全く違うがどちらも辛い要因が、私を責め立て、涙と嘔吐の眠れぬ11

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天草・歴史の幻影ー51妙見浦は遠望の方が美しい。石ころだらけの海岸に岩が突き出し海水を囲っている。泳ぐ場所ではないが、家族づれが水の中で遊んでいた。私が岩場で小魚の群をのぞいている間に、実際家のシスター松下は打ち寄せられたてんぐさをせっせと

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 今彼は、198人の親の無い子供達を預かる福利学校と、220人の修行チベット僧のいる「塔公仏学院」を、運営する仕事に追われる毎日なのだが、もしも手が離せるようになったら、ラサに、行きたいのだと言った。 ラサに巡礼の旅に行くことが、お母さんへ

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天草・歴史の幻影ー50時間も正午を過ぎていたので、シスター松下の提案により十三仏で昼食をすることにした。ここは天草灘に面した小高い丘で、与謝野鉄幹、晶子の歌碑がある。   天草の西高浜の白き磯      江蘇省より秋風ぞ吹く(晶子) 眼前は

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ラマの僧坊を訪ねてみよう。 9月25日 「安覚寺」のチベット仏教僧、彭措 ラマの彭措という名前は「ポンツォ」と読むのだと教えてくれた。ポンツォというのはチベット語の名前で、それを音で漢字に当てると「彭措」になるらしい。郵便物の宛名や、公式な

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天草・歴史の幻影ー49案内者の話に、 「旧幕時代、踏絵の行われたのは今陶器工場の建っているあたりで、昔は村会所のあった場所です」 私たちはそちらに行ってみることにした。旧庄屋の広い住居に接して高浜焼の工場があり、見学は自由だ。西海岸の高浜周

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 私は勿論、即座に、その彭措というラマのお言葉に甘えて宿を紹介してもらうことにした。すると、ラマは、自分も寺へ戻るところだからついでに乗りなさい、とタクシーに乗せてくれた。 その宿へのチェックインを、ラマが代理でやってくれた。ラマは私に、こ

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天草・歴史の幻影ー48上田家七代の祖・宣珍(よしうず:一七五五〜一八二九)は優れた文化人であった。著書「天草島鏡」は天草の研究に欠かせないものと言われている。村内の統治にも実績があり、高浜焼にも力を注いだ。忠敬に従って測量術の手ほどきも受け

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9月25日 いよいよ、バスに乗って、チベット文化圏へ! 朝5時には起床。普段の生活では遅め遅めの人だけど、こういう時は目覚ましなど鳴らずとも、かなり前もって起きる事が出来る。遅刻というものは低血圧だからでなく、気持ちの問題だという事を自ら証

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天草・歴史の幻影ー47一、下島の西海岸をゆく●高浜 富岡を中心に、西海岸のキリシタン史跡の探訪に出かけたのは六月十一日、十時頃。 シスター松下の白いバンは大江北方の山を登ってゆく。この道・国道三八九号線は山を越えて高浜から西海岸づたいに富岡

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9月20日明日出発の火車(=長距離電車)チケットを、図らずも、ゲットしてしまったので、もう今日と明日しか上海にいられないことになってしまった・・・今日こそ、東街の写真を撮りに行こう、と、またごちゃごちゃと入り組んだ上海の道を迷い歩く。しかしい

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天草・歴史の幻影ー46 シスター松下の先祖は外海(そとめ)〈長崎県西彼杵半島西海岸)の隠れキリシタンであった。長崎の辺境に隠れたキリシタンの中にはカトリックの命脈がわずかながら残っていた。神父たちの教えと先祖の信仰との一致を認め、教会に復帰

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9月20日上海での日記から・・・豫園(明代の庭園)の周りの、汚くて小さくて古くてごみごみした家や商店のある小道を歩き回った。どの道も、そこが生活の場所になっている。食事、昼寝、買物、井戸端会議、麻雀、野菜の皮をむいたり、ひまわりの種を食べては

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天草・歴史の幻影ー45大江はキリシタン取り締まりの中心となる大庄屋の所在地であり、山下家は年寄役、つまり村人監視の側である。大江のほとんどが隠れキリシタンということは、取り締まる者も、取り締まられる者も、ということになる。互いに擬装を凝らし

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スウェーデンも国際貿易における不測の変化から逃れることはできない。パンデミックが始まった以上、スウェーデンにも経済的なダメージが及ぶのは明らかだった、と前出のカークガード氏は指摘する。「サプライチェーンが寸断され、他国の製造業が操業を停止す

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天草・歴史の幻影ー44「ロザリオ館にある『経消しのつぼ』は山下の本家・丸山から出たものですが、つぼに耳をあてると声が響いてきます」 いかにも不思議な話である。私の不審を察して、氏は「経消しのつぼ」によく似たつぼを出してきて、 「これでも同じ

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スウェーデンの中央銀行によれば、同国経済は今年4.5%のマイナス成長に陥る見通し。従来の1.3%成長見通しから大幅に下方修正されている。5月の失業率も9%と、3月の7.1%から跳ね上がった。オックスフォード・エコノミクスは最近の報告書でこう結論づけた。

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天草・歴史の幻影ー43納戸神の注連縄(しめなわ)にも隠れた意味がある。 「普通、しめ縄には捻ったわらのくきを三筋、五筋、三筋と分けて垂らし、その間に紙幣を下げます。が、納戸神のしめんこはどれも三筋とします。つまり三位一体を表わします。『若宮

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だが、高い死亡率と他国同様の経済悪化というスウェーデンの悲惨な結果は、「国民の命か、経済か」という選択肢が間違っていることを示唆している。行動を規制しなければ、生命と雇用の両方が犠牲となりかねない。スウェーデン政府は国民の良識を信じ、行動規

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天草・歴史の幻影ー42山下家の仏壇には先祖の立派な位牌が十基以上も上段に並んでいる。十字型の位牌も五基ほどある。これは山下大恵氏が、先祖の供養のため、大江教会の神父にミサを願い、ついでに十字架の位牌も作った、という。知人から贈られたイエズス

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死亡率が増え、経済も近隣国同様の状況に 20200719欧州で新型コロナウイルスが出現して以来、スウェーデンは独自の社会実験で世界から注目されてきた。パンデミック中に政府がほとんど行動制限を加えず、通常の生活を続けるとどんなことになるのかは

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天草・歴史の幻影ー41天草灘の落日の美しさを度々聞いていたが、ここから眺める落日はどんなにか雄大華麗であろう。私はこの後も二度ほど両海岸を通ることになるのだが、いつも日没とかけ離れた時間で、ついに天草灘に没する日輪を目にすることが出来なかっ

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 体験者のこうした言葉から、「漢」なのか「蔵」なのかという点こそが身分証チェックの目的だと分かる。ただ「蔵」というだけでラサはとても不便な場所になる。「漢」であればラサは楽しい遊園地になる。「蔵」と「漢」、軍警の関係からも分かるのは、チベッ

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天草・歴史の幻影ー40「この山の続きに隠れみ堂があるから行ってみましょう」 山下氏の声で私たちは再び乗車し、更に山中の細道に入りこんだ。小型車がやっと通れる狭さだ。隠れみ堂とは何か建物があるのではなく、石を積み上げた中にキリシタンの遺物を隠

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あるチベット人は新浪微博に書き込んだ。「暫定居住証を持っていないカムのチベット人たちはみんなラサを離れないといけないし、ラサには住めない。でも漢族やほかの民族は暫定居住証を持ってなくても生活できる。これはどういう政策なんだ?」。これがアパル

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天草・歴史の幻影ー39一、キリシタンの里・大江(3)●普門塚から荒尾岳へ 日曜日(六月九日)午後、山下氏が隠れキリシタンの遺跡に案内して下さることになった。彼の運転する赤い小型車が聖母訪問会玄関に着き、シスター松下と私が乗り込んだ。 野中集

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