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日記一覧

聖母文庫 聖母の騎士社刊宿題                       宮坂源一「なんてうるさい餓鬼どもだ。この天気いいのに、家の中にいる奴があるものか。さっさと出て行け。やかましくて昼寝も出来やしねえ」 又、お御堂の下の小松川さんがどな

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聖母文庫  聖母の騎士社刊 こういうような人間が蟻の街にすんでいるんだ。こういう蟻の街の様子を一つ見てみよう。 水道などつかっているときは、みんな話題に花をさかす。 あのイモはいいイモだとか、あそこの八百屋はいくらやすい、あのちゃわんはいい

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聖母文庫 聖母の騎士社刊蟻の子たちの作文集蟻の街とはどんなところか                       宮坂源一 蟻の街とはどこにあるか?所番地は台東区浅草聖天街六十三番地、地図にすると一番の目あては言問橋、遠く右手に松屋が見える、

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聖母文庫 聖母の騎士社刊第四章アメリカの皆様へ ジョージ、大塚様 はるばる、アメリカから蟻の街の子供たちに贈って下さった、数々の衣類、ありがたく頂戴致しました。丁度クリスマスも間もないことですから、その節に、遠いアメリカのサンタクロースの小

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無料定額医療制度
2019年07月27日16:26

転載澤田愛子‏ @aiko33151709 · 1 時間1 時間前 ご存知ない方が多いので何度もお伝えします。この国では困窮していたり何らかの理由で健康保険証のない方の為に、まだ「無料低額診療制度」があります。どの病院がこれを採用しているかはネットで

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 私はふと、小学校の頃を思い出しました。あれは、たしか木枯らしの吹く冬でした。父も母も、親戚の結婚式に行ったまま、なかなか帰りません。窓の外では北風が、薄気味悪くうなっています。私は、なんだかこわくなって、自分の小さ

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 やがて、どうやらできあがった様子なので、私は、みんなを喜ばせようと、お部屋へ行ってみると、もう子供たちは、ぐっすり眠りこんでおりました。時計を見ると、なんと、もう十二時近くでした。私はまず、子供たちと一緒に、大の字

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聖母文庫 聖母の騎士社刊帰り道で、大夕立に出会いましたが、運よくバスの停留所でやり過ごし、やがて台ケ嶽から明星ケ嶽にかかる虹の橋を背にして、雨上がりの高原を、子供たちは、歌好きの鶴木さんと一緒に楽しく童謡を歌いながら五時頃別荘に辿り着きまし

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 ストーブを取り囲んだ子供たちが空想の御馳走に満腹している間に、部屋の真ん中にパッと電灯がつきました。鶴木さんが、用意してきた電球を、天井から鎖で下っているランプ式のホヤにつけたのです。「やあ、アラジンのランプもある

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聖母文庫 聖母の騎士社刊魔法のお城 八月十一日の早朝、夜明けの五時頃から、もう子供たちが、私の家へ迎えにやって来ました。「まあ、早い、もうみんな起きてるの」「うん。もう誰も寝てなんかいないよ。先生、早く行こうよ」 黒ちゃんが、いかにも嬉しそ

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聖母文庫 聖母の騎士社刊「残りは、また明日の晩、頂きにまいってもよろしいですか」 と、私は主任さんの顔を見ながら言いました。「どうぞ」と主任さんは迷惑ながらも特に許して下さいました。 あくる晩も、三台の車をもって行きましたが、一回では終わら

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聖母文庫 聖母の騎士社刊私は、なんとかして、蟻の街の人々に迷惑をかけずにその六千円を三日間で作る方法はないものかと考えこんでいると、突然、私の父の古い知り合いの方で、両国の方で、乳製品の工場を経営している方から、「もし、お嬢さんのお仕事のお

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 片瀬海岸の、日帰り遠足ですらこの騒ぎなのですから、三泊四日以上の大旅行をやるとなると、どんな大きな支障が起こるか分からないと思いましたが、生まれつき天邪鬼(あまのじゃく)の私は、そうなるとなおさら万難を排してやって

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聖母文庫 聖母の騎士社刊そこで、この際、蟻の街の子供たちの向学心をそそるには、どうしても、海と山とが充分に観察できるような修学旅行をさせなければいけないと思いつきました。 しかし、蟻の街の子供たちを連れて旅行するということは、大変難しいこと

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 こうやって、零細に集めたお金は全部蟻の会の、「蟻銀行」にお預けしておきました。そのうちに、約六百円ばかりたまったので、それを松居先生のところへ持って行って「これで、できるだけ机を作って下さい」 とお願いしました。松

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 私は、まったく途方にくれてしまいました。その時、ふと気がついたのは、上野公園の中の墓地集落に、蟻の会の支部が経営する仕切場があるということです。この分では、とても浅草まで歩いて帰れないので、せめて墓地集落まで辿りつ

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 私は悪い癖で一度失敗すると、成功するまでやってみたくなるので、それから数日後に、又言問橋を渡りました。今度は裏道を歩かないで、電車通りをどんどん寺島の終点まで流して行きましたが、ろくなものがありません。仕方がないの

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アイヌ神謡集ー4
2019年07月10日09:19

アイヌ神謡集―4(2006年のmixi日記より) 雪が降らないなあ・・・。有難いような冬の札幌でないような不思議な感じ。じゃんじゃん降ると「ああ北国だなあ」と思うのだ。まあ12月中は小雪のようだけど、1月になれば嫌というほど降るのでしょう。それ

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聖母文庫 聖母の騎士社刊こうなると、すっかり自信もつき、リヤカーでは間に合わないので会長さんにお願いして本物のバタ車を一台貸して頂きました。たしか、初めてバタ車を引いた晩だったと思います。いつもの通り、花川戸の通りを往復していたのではつまら

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 とうとう私も決心して、「われは主のつかいめなり、仰せの如くわれになれかし」 と心に祈りながら、私の家のリヤカーを引いて堂々と街に飛び出しました。「蟻の街」のある聖天町から私の家の花川戸にかけて、右も左も履物問屋ばか

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アイヌ神謡集ー2
2019年07月08日13:10

アイヌ神謡集―2(2006年のmixi日記より)日本の民話で一番ロマンティックで美しいお話。そしてふと思う。もうあらゆるものが商業主義の毒牙にかかり、その純朴さを失っている今の時代、アイヌ文化だけが純粋と高貴と真実を保つ唯一の世界だなあと・・・

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聖母文庫 聖母の騎士社刊「それがいいわ。先生もみんなと一緒にやりましょうね。そして、私たちだけの力で、いえ、みんなの力だけで、お机を買いましょう」 と、私は希望に燃えながら言いました。「よし、今からすぐにでもやろうや」 と、守男ちゃんが言い

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アイヌ神謡集ー1
2019年07月07日12:03

アイヌ神謡集―1(2006年のmixi日記より) あまりに美しく、あまりに哀しい言葉のひとむらに思わず紹介したくなりました。札幌は日、月の大雪の後の疲れにひたっております。明日は雨!の予報。雪は降っても、まだ12月、暖かい・・・。ちなみにこちら

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 入浴の時間が終わると、今度は学校へ行っている子供たちの勉強の時間が始まるのでした。しかし、大きな子供たちがほんとうに、自分の時間が持てるのは六時頃からでないと、どうしても無理なようでした。というのは、学校から帰って

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 もう一人、私の苦手は、今井さんの赤ん坊です。今井さんは、足元が中国の纏足(てんそく)をした婦人のように小さくて指がないも同然だったので、夏でも靴下をはいたままで、人前では絶対に足を見せない人なので、この人も、赤ん坊

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 風呂場は、ドラム缶を利用したものですが、入浴用と、上がり湯の二つがそなえてあって、入浴用の方は大人が楽に二人入れる程大きなものでした。 会長さんは、私の夢を実現させるために、二時から四時までは、子供の入浴時間ときめ

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150年前の北海道−2
2019年07月04日09:08

150年前の北海道―2(2006年のmixi日記より) 降る降ると言われながらなかなか本格的に雪が降らない札幌だけど、近くの手稲山は白くなり、我が家のエリーやみゃー子はストーブから離れない・・・。もうすぐ街は真っ白になっていく。そうそう、久しぶ

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聖母文庫 聖母の騎士社刊ドラム缶のお風呂 五月末のある日、ブラジルから来た観光団の人々が、「蟻の街」へ視察に見えました。会長さんや松居先生の案内で、あちこち見て回ってから、礼拝堂へ上がって来られました。南側の窓ガラスから、眩しい陽光が部屋一

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 ゼノ様と、私と、松居先生の三人が、この手紙を持って、大司教様のところへ、ご挨拶にうかがいました。昔、百歩長がイエズス様に向かって、「自分は卑しいもので、イエズス様を我が家にお迎えする価値はありませんが、せめて一言、

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聖母文庫 聖母の騎士社刊 僕は蟻の会へ来てまだ一ヵ月にしかなりません。後から後から多くの家の無い人がやって来るのに気がつきました。蟻の会へ来る人は、きっと暗い心で来ると思います。教会が出来ることは、其の人にどれだけの希望と光明とを与えるでし

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