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2020年12月31日08:23

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キリシタン紀行 森本季子ー318 聖母の騎士社刊

紀州の秘境 龍神と教会ー31

初代・モリアルティ神父が在任二年で転出し、続いて三人の司祭が短期間司牧した。五代目主任としてケビン・フリン師が到着したのは昭和三十一年(一九五六)十二月。彼は十六年をここで過すことになる。
 フリン師着任の前年三月に、山路郷が合併し、現龍神村となった。その翌年(一九五七)四月、教会が漏電により全焼した。現教会の献堂はフリン師最初の仕事となった。
 オーストラリアからコロンバン会員として来日間もなく、彼が主任司祭として派遣されたのが龍神教会である。
 「私が一番困ったのは、日本人に対してどのように布教したらよいか、分からなかったことだ。日本の伝統や風習をどのように布教に取り入れるか、日本の教会は方針を立てて外国人宣教師を教育するということが無かった。宣教師たちは自国のやり方をそのまま持ち込む。それに、当時の教会は厳しい規則ずくめだった。司教に相談すると、自分のいいと思う方法で、と言う。自分がいいと思っても、それが果たして本当にいいのかどうか不安だった。ともかく、社会が何を必要としているか見て、その必要を満たすために努力しようと決心した」(千葉県・東金教会主任当時のフリン師談)

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