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2020年07月28日07:31

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キリシタン紀行 森本季子ー192 聖母の騎士社刊

天草・歴史の幻影ー50

時間も正午を過ぎていたので、シスター松下の提案により十三仏で昼食をすることにした。ここは天草灘に面した小高い丘で、与謝野鉄幹、晶子の歌碑がある。
   天草の西高浜の白き磯
      江蘇省より秋風ぞ吹く(晶子)
 眼前は渺茫とした天草灘。その水は東シナ海にも黄河にも続いている。高浜の陶石海岸に吹き寄せる風も、天草の真西、江蘇省あたりから大海を渡って来たもの、との実感が湧く。太陽は真上にあって暑い。丘の木陰にもぐりこんで、途中で求めたお弁当を開いた。妙見浦が見下ろされる。西海岸の名所の一つである。近くなので寄ってゆくことになった。
 十三仏の丘を下りたところで、中学生ぐらいの少年と連れ立ったポーランドの若い女性に会った。二人を案内してきた青年の話によると、彼は高浜の人で仕事場から昼食に行こうとそているところ、大江教会への道を尋ねられた。
 「説明するのも面倒で、この車に乗りな、連れていってやるから、とここまで来たところなんでね。ついでだから十三仏の景色を見せてやろうと思って」
 いかにも人の善さそうな青年である。このポーランドの巡礼者(?)に、羽のない守護天使が道案内に立ったことを私たちは喜んだ。

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