栃木県の足利市で何十人も逮捕された大マリファナ事件があったが、関係者の話を聞いて吹きだした。なんと取り調べの刑事が調書に逮捕された連中を「ボブ・マーリイ教の信者」と表現したらしいのだ!
でも後で当たらずとも遠からずだなとも思った。日本のレゲエ・フアンでもボブしか聞かない人はけっこういるし、ドレッドのブラック・ブラザーでも、ラスタの伝統がないアメリカでは、ボブの歌を聖書の言葉のように受け取っている人も多いから・・・。
トレンチタウンをずいぶん贔屓にしてくれた茅ヶ崎の石塚さん(時々現れては「仕入れに来ました」といって、あれこれ買ってくれた」)は、やはりボブと出会った人だった。とても寡黙な人で多くを語らなかったが、ボブを聞いた夜のことは懐かしそうに語ってくれた。
ボブのコンサートを聴いた夜、興奮が覚めやらずに、歩いて横浜まで帰ったそうだ。そして山下公園でカセットのボブの歌を聞きながら、仲間と朝まで踊り明かしたらしい。そんな人々が日本中に散らばっている。そしてイエス・キリストの言う「地の塩」として、自分なりにボブのメッセージを実践している・・・・・。僕はそう思っている。
1981年にボブが亡くなった時、僕の胸にこみ上げてくるものがあり、僅かでもいいから、彼の意思を継ぎたいという思いが芽生えた。そんな人たちが世界中にいることだろう。トレンチタウンで知り合った、今は亡きアフリカ人ラスタ、ラス・ユジェーヌはユガンダからの難民としてケニヤで暮らしていたが、やはりボブの死に衝撃を受けたらしい。彼も仲間たちと工場の仕事をやめ、ラスタファリアンとして活動することを心に誓ったと言っていた。店を始めた頃に来た人が言っていたが、彼がたまたまオーストラリアの奥地に行った時にボブが亡くなったのだが、原住民のアボリジニーの人々が嘆き悲しんでいる光景に出会ったそうだ。その話はボブの神話の一つとして、僕にとっても忘れることが出来ない。
ボブ・マーリイは大きな謎なのです。
彼の影響は世代を越えてひろがっていき、その全貌は誰にも分からない。
僕は人類がこの偉大な人を生んだのを誇らしく思う・・・・・
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