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2020年04月09日08:43

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キリシタン紀行 森本季子ー89 聖母の騎士社刊

私の奄美紀行ー53

田代夫人晴子さんや大熊の明八重子さんは大島高女の卒業生だった。現在の奄美高校の校舎はこの過去の歴史の上に建っている。放課後の校庭には生徒の影もない。背後に迫る丘や校舎の位置はおそらく昔のままであろう。私は晴子夫人へのお土産として写真に納めた。
 校門前の石垣に、つる性の植物が繁り、緑の照葉の中に咲く可憐な花が目を引いた。フリルのある白い花弁の中心近く紫色の輪がしべを囲んでいる。「パッション・フルーツの花」と河内夫人に教えられた。私が以前から見たいと思っていた花である。これはご受難の花とも呼ばれ、キリストの受難の道具である茨の冠、十字架、くぎが花に表現されているという。そう思って見れば、紫の輪は茨の冠に、めしべおしべは十字架やくぎのように見えないこともない。受難の大島高女跡地の前に咲いていたパッション・フルーツの花は非常に印象的だった。


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