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2020年03月31日08:52

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キリシタン紀行 森本季子ー81 聖母の騎士社刊

私の奄美紀行ー45

 司祭たちが島の伝道にあたって最も当惑したのは島口(島の方言)だった。聞いただけでは同じ日本人さえ外国語かと思うほどである。もっとも本土内でさえ北と南の端では互いに通じないほど語い、発音、アクセントが異るのだが。
 大島では挨拶の言葉がウガミンソーラン。これは拝み候からきたと言われる。美人はキョラモン、豚はワン、さつま芋がトン、里芋がウン、南瓜はトチブル。
 田辺聖子氏はキョラモンを解説して「王朝の小説に『いとけうらにおわしましかば』などとある、アレですよ・・・」(「浜辺先生町をゆく・移転通知」)
 また
 私は奄美に美しい古語が残っているのに関心を持っているのだが、・・・例えば夫の話では、「子供のころ、あたまに魚のたらいを載せた魚売りの女が、「ゆうこんしょれ!」と売りにきたそうだ。私の思うに、「ゆう」は「魚」であり、「こんしょれ!」は「買い候え」である。(前掲書)
 こう聞けばいかにも雅やかで、平安時代の言葉でも聞く思いがする。しかし実際にこういう言葉しか通じなかったとしたら、宣教師たちは改めて別な外国語として島口を学び直さねばならなかったろう。長崎・五島列島の方言をやっと解するようになったマルマン師にはまた第一歩からの勉強である。

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