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2020年02月29日06:25

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キリシタン紀行 森本季子ー53 聖母の騎士社刊

私の奄美紀行ー16

 戦時中に供出させられた教会、修道院の鐘は殆ど帰らなかった。それに比べ、大笠利の鐘は信者たちに救われ、守られてついに北大島の美しい海岸の故郷に帰り着くことが出来たのだった。アンジェラスの音の一つ一つに大笠利の古老たちはどんな感慨にふけることだろう。(中略) 
 教会の敷地続きのやや高い場所に、宮崎カリタス修道会経営の「聖母保育園」がある。崖下は畑でバナナやパパイヤが実っていた。こんな情景が私にはひどく珍しい。案内して下さった白衣のシスターに「熟しているようですがお取りにならないのですか」
 と尋ねると
「下草が繁って、ハブが出るかもしれないので、鳥がつつくにまかせています」
 認識不足の私は仰天してしまった。毒蛇ハブは今では駆逐され、ハブセンターにしかいないと思っていたが、こんな身近に出没するとは!それ以後私は草むらを恐れることひと通りではなくなった。

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