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2020年01月26日08:34

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キリシタン紀行 森本季子ー25 聖母の騎士社

●中の浦教会

 奈良尾神社を出て、一路北上。山間部を抜け、大浦教会を通過すると若松瀬戸が木の間隠れに見えてきて、中の浦教会に到着した。十時十五分である。大浦、中の浦などこのあたりはキリシタン集落であった。寛政年間、大浦藩の黒崎から移住したキリシタン、勘五郎の系統を引いているという。彼らもまた明治初年の迫害で苦しんだ。五島はどこへ行っても巡礼地である。中の浦教会を中心とした集落は今もほとんどが信者で、ミサには山間から、海辺から集まってくる。

 瓦葺き木造で、白く塗ったこの教会は、大正十五年の完成。これまで巡礼したどの教会よりも簡素である。内部構造はゴシックだが装飾に椿が用いられている。五島椿と言われる言われるほど島のいたる所椿が多い。内壁の上部装飾が子持菱の中央に椿の花、という独特のもの。土着した五島の教会、というなつかしさを感じる。この日の巡礼最初の教会でロザリオ一連、聖母の喜びの第一「お告げ」を思い一同で唱えた。

 中の浦教会は若松瀬戸の笛吹浦から更に入り込んだ小さな入江に面している。この入江の対岸から眺める教会は近くで見るよりはるかに美しかった。裏山の緑を背負い、白い聖堂は尖塔と共に満潮時の水中にくっきりと影を写している。ルルドの聖母像までが、水中の自分の姿に見入っている。赤い屋根の司祭館や岸辺の傘松は、水陸どちらが本物かとまがうばかりである。中の浦の信徒はこんなに美しい自分たちの教会を毎朝眺めているのだ。彼らの先祖、隠れキリシタンたちがこれを目にしたなら感涙にむせぶことだろう。

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