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2019年04月03日08:36

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閔妃(ミンピ)暗殺(朝鮮王朝末期の国母)角田房子著 新潮文庫ー22

(※は本文より転載)

名門の娘だが親も兄弟もないとは、まさに大院君の希望通りの条件であった。しかも大院君夫人は、「王妃として恥ずかしくない容姿容貌を持ち、行儀作法などのしつけも充分身につけております。特に学問では、両班のどんなご大家の娘とくらべてもひけは取らないでしょう」と語った。
 大院君夫人は閔致禄の娘を邸(やしき)に呼んで、夫と会わせた。のちに国運を賭(と)して闘い続ける政敵同士の初対面である。
 このとき大院君が得た第一印象には、二説がある。「聡明(そうめい)は結構だが、この仔猫(こねこ)は雌虎(めすとら)になりはしないか」と首をかしげた、という説が一般的で、この説の支持者は、「大院君ほど人を見る眼(め)の確かな人が、閔少女の本質を見ぬけなかったはずはない。しかし最も重視した家族関係ではこれ以上の候補者がなかったので、彼女を王妃に選んだのであろう」と語る。第二は、「しとやかで従順な様子に満足した」というもので、この支持者は、「閔少女はまだ小娘だった。彼女が野心家になるのは後のことで、このときは本当に従順な少女であったろう」と語る。
 二説いずれとも決めがたい。いずれにせよ、大院君は彼女を高宗の妃と定めた。閔少女は”閔妃”となることを約束された。

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