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2019年03月09日07:42

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1985年ジャマイカの旅ー38

満月の夜、山の頂上のガンジャ畑にラスタたちが上って来た。巨人のようなガンジャの茂みには、精霊の息吹のように甘い香りが漂っていた。そしてナイヤビンギの儀式が始まる。淡い月明かりに包まれる山々にドラムの音が木霊(こだま)した。ラスタたちがチャントしながら回すチャリスの煙が広場にたちこめる。荘重なナイヤビンギの響きに呼応するように、ガンジャの茂みが風に騒いだ。

ラスタの長老が古びた木の杖を持って踊りだす頃、大地の精霊たちが風となって、雲となって加わった。そして満月の光は祭りの山頂に向かって強烈な光を浴びせ、絶え間なく吐き出されるガンジャの煙は広場を覆い隠した。
ラスタたちの叫びが激しくなっていく。大地がゴウゴウと音をたてて彼等に呼応する。すると、大きな煙の塊が広場の上に浮かんだ。天空から強い光が、一本の矢となって煙に降り注ぐと、内部が明るみを増していく。中で何かが蠢いていた。明るさは更に増していく。重いバス・ドラムの音に呼吸するように震えるガンジャの雲の中から、突然JAHと神の軍勢が出現した!白馬にまたがり、光り輝きながらJAHは異次元の空間を疾走した。

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