誰かが食後のガンジャを始めた。香ばしい香りが流れてくる。深夜のサウンドシステムからの帰り道、ガンジャ売りにしつこくからまれた挙句、ナイフで脅され、同行のジャマイカンがやはりナイフで応戦している間に逃げた話。同じく夜間に警察のジープに止められた際、マシンガンを突きつけられてホールドアップした話。また白昼のキングストン市内で、突然車から降りてきた刑事たちにピストルを突きつけられて、やはりバンザイをした話。こんな怖い体験を、毎日のように同宿の日本人,S君から聞いていた。だから、ラスタマンとの旅が無事に済む訳が無い、という嫌な予感がした。だから、とりあえず、一番無難そうな温泉行きに決めた。
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