しかし、その後、彼の店「アフリカン・ミュージアム」で会った時はしゃきっとしてたし、親切で紳士的だった。トレード・マークの帽子を粋にかぶり、見るからにスターの雰囲気を持った人だった。
コンサートには行けなかったけど、グレゴリーには直接会えた。ラッキーか?アンラッキーか?複雑な気持ちの夜だった。
恐怖と恍惚と感動の一日
キラマン・ジャレットがスプリッフ(紙巻のマリファナ)を吸いながら、真っ赤な目を光らせて僕に約束した。「お前がジャマイカにいる間に、知り合いが持ってる山の中のガンジャ(マリファナ)畑に連れていってやる。そして、ジャマイカのラスタを代表する伝説のラスタマンで、ボブ・マーリイを発見して導いたあのプラトーにも会わしてやろう。ただ彼は居所の分からない謎の人物だ。ジャングルに居ると思うと、街に出没する。何とか連絡を取って会わしてやろう。うーん、それから温泉もいいな。どうだい?」
ここはキングストンのレコード会社、シャブロック・レコードのオフィイス裏手の台所兼食堂だ。と言っても、コンクリの流しとカマドの他には、ガラクタをのせた大きな古テーブルと、中身がむき出しの白黒テレビという殺風景な部屋で、スタッフや近所の子供たちが集まって、賑やかに昼飯を食べていた。皆がチキンカレーを美味しそうに味わっていると、シェパードがのっそり入ってきた。
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