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2019年02月07日06:58

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1985年ジャマイカの旅ー8

絶句するほどのパワーに溢れたエコーの舞台が終わった。その後、次々にローカル・シンガーやDJたちが舞台に登場したが、見劣りして面白くない。待ちぼうけの疲労と夜の寒さに負けて3時頃に退散した。しかしジャマイカのコンサートでのDJと観客たちのノリの凄さを充分味わって満足した。外に出て、暗い道を歩いた。塀のそばに大型バスが何台も停まり、屋根の上は会場を眺める人たちでひしめいていた。

翌25日は、昼間モンティゴベイ市内を散歩した。観光地なので物売りのお兄さんがしつこい。路上の市場を歩いた。市場の雑踏にジャマイカの人々のルーツなエネルギーを感じた。陽気で騒々しく、貧しさに打ち勝つ、素晴らしい命のパワーだ。市場を抜けると線路があった。線路沿いにバラックの店が並び、派手なラスタ・カラーの店があった。ラスタの老人が外で瞑想していた。挨拶して、中に入る。カウンターの向こうに中年のラスタマンがいた。ジュースを注文する。狭い室内のあちこちに古びたハイレ・セラシエの肖像画が飾られていた。質素だが、生きた信仰を感じさせるアイリーな空間だ。何種類かの木の根を煎じたアイタル・ジュースが出てきた。まるで泥水のような焦げ茶色の濁った液体だ。コーラで割って飲んだ。苦味のある不思議な味がした。店のオーナーは親切なラスタのおじさん、ボンゴ・ダグラス。(この出会いを縁に原宿の店で紹介された若者が何人も世話になった)アイタル・ジュースの説明に木の根っこまで見せてくれた。それから、野菜(草?)と米だけの、塩気の無いチャーハンが入ったココナッツの椀が出された。味は無いが、ココナッツ油の風味があって、一応おいしい。「いくら?」と訊くと、「お前が決めてくれ」と言った。そのラスタ・スピリットにグッときた。


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