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2018年02月08日05:28

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1985年 ジャマイカの旅ー10

羊の群れがのんびり歩いている。頭の上に大きな荷物を載せた道端の女たち。すれ違ったトラックの荷台で、若い奴等が前を指差しながら「もっとスピードを上げろ!」と叫んでいた。山羊たちがすぐ先の道路をゆっくり横断していた。我々のジープは猛スピードで近づく。山羊は逃げない、ジープも避けない。僕の心臓だけがドキドキする。危うくぶつかりそうになって、通り抜けた。しかし、山羊たちは少しも恐れず、慌てる気配は無かった。ジャマイカでは、山羊でも根性入ってるぜ!イエー!

ある村に入った。酒場の前に人がたかっていた。サウンドシステムだ。外に置かれた巨大なスピーカーが鳴り響き、周囲の木立を震わせている。ヒット曲のオン・パレードだ。近くでバスを待つ中年女が見事に発達した腰を揺すりながら踊っていた。ジープを停めて、木陰で休んだ。風に晒されて乾いた身体に冷えたコーラが旨い。キングストンの雑踏に流れるサウンドシステムの音と、一味違う田舎のシステムだった。日本の田舎の淋しい盆踊りのように、どこか哀愁が漂っている。


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