ゲッタウェイという古い映画がある。僕の大好きな一品だ。
どのくらい好きかというと、サム・ペキンパー作品の中で2番目に好きだ。
物語は男女がドンパチやりながら、あっちこっちをを逃げ回るというもの。
男は銀行強盗のプロ。それでも二人は正式に結婚している。
それでいろいろあって、映画の約束事の掟破りなところもけっこうあるわけだけど。
最初の方で印象的なシーンがある。
スティーブ・マックイーンがムショを仮出獄する。アリー・マッグロウが出迎える。
二人は公園でクルマを停める。 そこの噴水で子供たちが水浴びしている。
それを見た二人は同じことを脳裏に描く。服を着たまま二人で滝の中に飛び込む図だ。
それは夢想のように思えたけど。
アパートに着いた二人がぐしょ濡れになっているので、本当に噴水でやらかしたことがわかる。
このようにヒトは水浴びするのが好きだ。その衝動を抑えきれなくなることさえある。
しかし、ネコは違う。ネコは水浴びが大嫌いだ。
なので、ゲッタウェイよりさらに古いこの映画は画期的だったといえる。
なにが画期的かというと、ネコを川に飛び込ませたんだよ。これはすごいことだ。
まさにIncredible
なんだよ。
まあ、見てくれよ。
The Incredible Journey (1963) Theatrical Trailer - HD Remake
https://www.youtube.com/watch?v=MFP6neimpB4
しかし、この金曜日はもっとびっくらこいた。
マイミクさんが「気持ちよさそうにお風呂に入る猫ちゃん」という日記で、YouTubeを紹介していてね。 こんなネコがいるとは
だったんだよ。
お風呂が大好きな猫です シャワーに自分でかかりにきたり cat loves shower
https://www.youtube.com/watch?v=ooA77y3Lzhc
ほかでもネットの中は入浴好きのネコたちがてんこ盛りだった。
しかし、これらのネコたちはあくまで例外的な存在である。レアケースなだけに動画や画像に人気が出るのであろう。
少なくとも、うちとこのまりんは水浴びが大嫌いだ。
まりんの性格を述べると。
ヒトの食事どきになると、それと察してテーブルの上に乗っかってきて邪魔をする。
椅子に座ろうとすると、先に乗っかる。
どてーっと寝っ転がってゆく手を遮る。
傲岸不遜、唯我独尊のおしゃれキャットなのだ。
こないだの日曜はそのまりんをバスルームに押し込めて、ネットをかぶせて、シャワーを浴びせてごしごししごいたんだから。
そりゃあ、ひと騒動だったよ。
まあ、その甲斐あって、さらさらな毛並みになったので、よかったよかっただよ。
これはシャワーの後、水も乾いてさらさら毛になって、外の風を身体にあてる姿。
そして、ヒトの女性にとってもさらさら毛は大事だ。
なので、こういうCMが次々と世に送り出されてくる。
ティモテ C M
https://www.youtube.com/watch?v=8A1-gXMz94Y
このティモテCMには前日譚と後日譚がある。
前日譚は中山圭子と松田聖子にかかわることだ。
なにかというと、このティモテは中山圭子という新人のデビュー曲をCMソングに使って大々的に売り出そうとしていた。タイアップというやつだ。
ところがキャッチコピーの「髪にやさしい北欧の七つのハーブ」のどれかが日本では認可されていないことが判明してね。
プロジェクトが中止になっちまった。
あおりを食ったのが中山圭子だ。
阿木燿子作詞、南こうせつ作曲という売れ線コンビの曲を引っ提げて、しかもCMのタイアップ付きにして華々しくデビューするはずだったのがふっとんだ。
それでもその歌でデビューはしたんだけど、まったくパッとしなかった。
たぶん、この本来はヒット間違いなしだったはずの曲を知っている人はあんまりいないと思う。
中山圭子 パパが私を愛してる 1980.4
https://www.youtube.com/watch?v=JsoEng4dd7g
逆にこれのおかげで芽が出たのが松田聖子だ。
中山がサンミュージックにスカウトされた際の契約条項には、自身のデビューにあたり2年間は他の新人歌手をデビューさせないという誓約が含まれていたという。このとき、サンミュージックの新人には2歳上の松田聖子がいた。松田の歌手デビューは上記誓約により後回しとなる予定だったが、1980年2月に中山のデビューが失敗に終わった結果、急遽、松田に資金を投じて歌手デビューさせる方針が打ち出され、同年4月に松田がデビューした。中山はこの方針転換を快く受け入れたという。 Wikiより
まことに人生ってのは、何がどうなってどうなるかわからないものだといえよう。
一方、後日譚としては、ティモテCMはアニメ界における伝説的なシーンにつながった。
てもてー
https://www.youtube.com/watch?v=_g_s8caxwRw
この「らき☆すた」が放映された2000年代のどこかからであろう。
入浴シーンはアニメの定番化していった。
普通、ヒトはお風呂に入るときは全裸になる。ビーチやプールでは水着になる。
アニメというものは、週一回、ワンクール3か月間放映される。つまり12回だ。
そして、この12回のうち最低2回は全裸回と水着回にするのがお約束になっているのだ。 別名、てこ入れ回。
なので、今どきのものをあげだすとキリがないのだけれど。
「熱膨張」というセリフで落ちをつけたマグマダイバーは前世紀の古典としてあげておきたい。 新世紀エヴァンゲリヲンね。
さらに昭和を遡ると、峰不二子はパイカルという酔っぱらっちまいそうな名前の男に拉致される前にルパンの屋敷でシャワーを浴びていたし。
さらにさらに古典的、国民的アイドルのしずかちゃんも何かというと入浴するキャラクターとして知られている。
昭和の劇場版としては、春麗がスペインの狂える毒蛇に必殺の百裂脚をお見舞いする前にシャワーを浴びていた。
このようにアニメにおける入浴回は今に始まったことではなくて、昔からみんなが好きだった。
今世紀の作品では、伝説の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの幼女姿、忍野忍の入浴回が関係者の間では神回と言われている。
もちろん、実写の世界でも入浴シーンはいろいろある。
今はどうか知らないが、かつて上野にはニューヨークという冗談みたいな屋号の特殊浴場施設があったくらいだ。
そのN.Y.を舞台にした映画の泡ぶろシーンが有名なマリリン・モンローは上野に縁がある。
すでに亡くなっていたはずのMMが日本のホテルのCMに出演してね。
ジュラクよおと色っぽい声でささやいた。
そのホテルチェーンの旗艦店的な建物が上野駅の真正面にあったんだよ。
はい、これがそのCM
1983 聚楽CM
https://www.youtube.com/watch?v=NDk9Knv5rPU
そして、東に聚楽あらば、西にはこのCMがあった。
放出をハナテンと読める人は東にはあんまりいないと思う。
そのハナテン中古車センターのCMは大阪では広く知られていた。こういうの。
[CM]ハナテン中古車センター 平成9年バージョン
https://www.youtube.com/watch?v=R52lehCCXHM
CMだけでなく、テレビドラマ世界でも入浴シーンは定番だった。
昭和のテレビ番組ってさ、今どきよりもなんかこう妙に煽情的なのが多いんだよね。
例えば、、
三ツ矢歌子、夏樹陽子、松原智恵子、夏純子、ジュディ・オング、由美かおる、金沢碧、 小川真由美、宇津宮雅代、結城しのぶ、古手川祐子、 夏樹陽子、 岡田奈々、片平なぎさ、金沢碧、片桐夕子、叶和貴子、 萩尾みどり、松原千明、高田美和、 叶和貴子、萬田久子、早乙女愛、佳那晃子、岡江久美子
と、並べられて、ああ、あのシリーズかとすぐにわかる人はかなりの昭和のテレビドラマ通だといえる。
これはね、テレ朝の土ワイ、江戸川乱歩の美女シリーズ。 その初代明智小五郎を演った天地茂回で美女を張った女優の数々。
そして、このシリーズは無理くりで主役の美女の入浴シーンを出すのがお約束になっていたんだよ。
まあ、入浴シーンの多くはダミーだったらしいけど。
そして、ニッポンの入浴女王といえばこの人をおいて他にはいない。
美女シリーズにも出ていたけど、由美かおるといえば、なんといっても水戸黄門だ。
その入浴回数実に200回
最後に今週木曜日に見た今どきのテレビ番組から入浴ネタをひとつ。
NHKの「所さん大変ですよ」が埴輪を特集していた。
今は埴輪女子なるものが出没するくらいの埴輪ブームになっているそうだ。
で、ブームの発端はなになのかをいろいろ取材していた。
僕はそりゃ、埴輪ブームの発端っていったら、大映映画のこれしかないだろうと思ったんだけど、残念ながらそれは出てこなかった。
それはまあ、いいんだけど。
番組のゲストの女の人がいい感じだった。女優とかそういうのではなさそうだけど、ちょっと雰囲気のある美貌の人でね。
そしたら、それはお風呂のマンガで一世を風靡した人だった。
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