浦和の街からTSUTAYAが撤退して久しいが、代わりに蔦屋書店が栄えている。
僕は先週木曜にPARCOで海外保険に加入したついでに隣のアトレに入っているそのお洒落な本屋さんで文庫本を買った。
いやあ、すいません。
新型コロナウイルスで大騒動の折になんだけど、金曜から三泊四日でタイに遊びに行ってきたんだよ。
感染したらどうするんだ?非国民的な振る舞いだ!と謗らないでくださいね。
あっちじゃ、コロナ?あれは寒いところで繁殖するんでしょう?こっちは30℃以上あるんだから大丈夫よって感じで、まったく大丈夫っぽい雰囲気だったので。
いや、たびたび不謹慎ですみません。
帰りの飛行機で見た映画でシュワちゃんがコロナビールを仲間に振舞うシーンがあったもんだから。。
日本語字幕も吹き替えもなかったので何言ってんだかチンプンカンプンだったけど、それでも筋立てはあらかたわかっちゃうというスグレモノだったんでさ。
そんなわけで、金曜日の午後、僕は仲間二人と成田空港のカウンターで待ち合わせた。
仲間というのは去年も台湾の珍道中で一緒した連中。前の会社の同期だ。
通称、とっつぁんとイケメン。アニメとかそういう共通の趣味はないので、日頃の日記に登場させる機会はあまりないけど、なんか馬が合うんでね、昔からよく呑んだり熱海やらなんやらに一緒してる仲なんだよ。
日頃の成田空港の様子を知らないので、それに比べてどうだったのかはわからないけど、日本の表玄関は出る人、来る人で活況を呈していたよ。
デューティーフリーのエリアにあるアキバショップも健在だった。
で、タイ航空のジェット機(たぶんエアバス)は一路バンコクに向かった。
時間にして約6時間。 チキンライス(けっこう美味かった)をビールと赤白のワインでいただいて。 白のワインを何回かお代わりしながら、映画を2本見てるうちに機体はスワンナブーム空港に降り立った。
すでに夜の11時頃。 僕らはタクシーでホテルに向かった。
ホテルはやけに豪華だった。海外旅行通のイケメンによると、バンコクの中心街、アソウク駅近の一等地にある一流ホテルだという。
これは前回の台湾旅行のときの経験に基づくものだ。前回はケチって安宿にしたもんだから、いろいろとこう不便があってね。
景観ひとつとっても、窓から見えるのはばっちい建物の裏側だけ。こりゃあれだ、ダーティハリーが踏み込むロスの淫売宿そのまんまだと思ったもんだけど。
今回はこういうゴージャスビューだったからね。
それと、ありがったかったのはバスルームの中に独立したシャワールームがあったこと。
普通はバスタブでシャワーを浴びる。そうすると、どうしても水が散る。そうすると、同じエリアにあるトイレや洗面所まで水浸しになるのが避けられない。 それがバンコクのホテルではそういう心配なしにシャワー浴び放題だった。 ありがたかったよ。
あまつさえ、部屋の中のは無理として、レストラン階のトイレはウォシュレット付きだった。 あれはねえ、しみじみと幸せを感じたよ。
そういうことで、僕らは例によってベッドを川の字にして眠りについたわけだけど。
そこで、今回の道中における三人のニックネームが決定した。
とっつぁんがものの5分も立たないうちに眠りにつく。とたんに豪快なイビキが部屋中に響き渡った。
イケメンがつぶやいた。ゴジラだ。。
僕が声を殺してヒッヒッヒツと笑った。
イケメンが言った。お前のその笑い声、チキチキマシン猛レースのイヌそのものだぞ。
僕が言い返した。お前のその裏返った声、ディズニーランドのネズミそのものだぞ。
ボクはミッキーだよ、みんなよろしくね。 ヒッヒッヒー
そんなこんなで、翌土曜日と日曜日は同じガイドさんが運転手さん付きのワゴン車であちこち案内してくれた。こういうクルマ。
普段はバスで団体行動だそうなんだけど、今回は僕らの貸し切り。中国の人が海外渡航できなくなった役得といえよう。
もちろん、中国の人が来なくなったのは現地の人には痛いことなんだろうけど。
もともと、タイは欧米やら豪州やらの人気の場所なんだって。たしかに台湾は黄色や茶色のアジア人ばっかりだったのに対して、タイは白人がいっぱいだった。
そんなことで、僕らに二日間お付き合いしてくれたガイドさんはいい感じのおばさんだった。その名をプーさんという。
プーさんの日本語はややたどたどしいがわかりやすい。
しかも、いろいろためになることを教えてくれる。
タイのお米は味をつけて食べると美味しい。 でも日本のお米のようにそれだけで甘い味があるものではない。 なので、タイのお寿司(バイキングに必ずある)はお薦めしないよ。 とか
あれが野生のマンゴー。 随分小さいんだな、 昨日食ったのはずっとデカかったぜ。 それはいろんなクスリで大きくしたからよ。 ええっ、俺らが食ったのはクスリ漬けかよ。 それはタイだけでなくて、世界中の食物がたいていそうね。 なるほど。 とか
タイのハイビスカスはいろんな色が一つの木に咲く。沖縄やハワイと違う。 とか
ちなみにタイはその昔のシャム時代から独立を保って今に至っている。
欧米やら中国やらモンゴルやらの属国にならないまま来れたアジアの国としては日本と双璧といってよい存在だ。
なんで、タイは強いんだろう?とプーさんに聞いたら。
歴代の王様が尊敬を集めているからだそうだ。
実際、プーさんは前の王様が亡くなったときは葬儀が営まれた王宮の前の道路で三日間お祈りしたそうだ。 三日間、路上
説得力が違う。
その王宮とお寺が合体した施設をあちこち回ったよ。
例えば、バンコク市内の川渡しの舟に乗ると
その先にはこういう壮麗な建造物があって
そこにはこの植物をこのツボの水に満たした水で浸して頭を三回叩くと頭がよくなるという金色のツボがあったので。 僕らは髪の毛が後退しつつある頭のてっぺんを叩いた。
一種の離宮も巡った。お池がきれいだった。
あるいは、アユタヤにはこういうインディー・ジョーンズ的な寺院があって
ピサの斜塔みたいなのがあったり(地震がないので大丈夫なんだそうだ)
大きな木の根元には
仏像の頭部があったりする。まさにインディー・ジョーンズ的世界。
その仏像はあちこちにある。もちろん、こういうのが多いけど。
寝っ転がってる像も多い。
こういうのや
こういうの
中でもこのアユタヤの巨大像はたおやかでよい感じだったな。
一方、タイにはイヌも多い。それも首輪をしてないでかくてどやせ型の野良たちがあちこちで昼寝したり歩き回ったりしている。
しかし、ネコは一匹も見なかった。
プーさんによると、ネコをペットとして飼う習慣があまりないそうだ。
しかし、ゾウはいる。アユタヤで乗ったよ。
おいおい、ほんとにこれに乗るのかいというでっかいの。
これまたプーさんによると、かつては戦争でも活躍したそうだ。
今は平時なので、クルマが走る公道をのったり歩いて、折り返し地点でバケツの水を飲んで帰ってきただけだけどね。時間にして10分強だったと思う。
ということで、日中はカンカン照りの中をあちこち観光して回った。
で、旅といえばもう一つの楽しみが食事。
美味しかったよ。 朝と昼は二日ともバイキングだった。
そしてビールはシンハーで決まりだ。ハイネケンもちょっと飲んだけど。
そしてタイ式マッサージも堪能した。
イケメンが案内してくれたのはホテルから歩いてすぐのヘルスランドという処。
これがやけに豪華でね。
お代は2時間コースで600バーツ。1バーツが3.7円前後なので、かなりお安い。
これがねえ、気持ちよかった。
こういうおねえさん方が2時間きっかり揉んでくれるんだけど。
前半は足の裏からふくらはぎ、太腿を丹念に揉んでくれる。
そこでとっつぁんが本領を発揮した。台湾のときのデジャヴだ。
彼は足を揉んでもらいながらあっという間に寝入っちまったんだよ。
ゴジラいびき炸裂。
イケメンが、せっかくなのになんで寝ちゃうんだよとミッキーマウス声を出す。
僕がヒッヒッヒッとケンケン笑いする。
女性陣もくすくす笑ってた。
その後、うつぶせになって腰やら肩やらを揉んでもらい。 こめかみの辺りを指でぎゅっぎゅっと押してもらい。
最後はインディアンデス・ロックみたいに足を決められた。
いでえっ
それはよかったんだけど。。イケメンがそれだけでは収まらなかった。
せっかく外国に来たんだから夜は派手に遊ぼうぜ。
僕ととっつぁんは顔を見合わせた。うーん、今回はコロナの時節柄、ガイドさん抜きのそういう遊びは抜きにするはずだったんだけどなあ。
しかし、セッティングから実際のツアーまでガイド役に徹してくれたイケメンの希望を無碍にするわけにもいかない。
で、近場のビルのフードコーナーで安い飯をかっこんだ後、僕らは隣駅のナナに電車で出向いた。
ナナってなにか。イケメンによると東京でいえば歌舞伎町に相当するエリアだという。
で、たしかにそうだった。
僕らは即座に合意した。 これは無理だ。
例えば、どこかの地方から出てきたおっさんがその日の夜に行き当たりばったりで歌舞伎町の店に入るようなもんだ。カモがネギを咥えておまけに鍋をしょってるようなもんだ。
しかし、翌日の夜、こういう渋谷か新宿みたいなファッショナブルなエリアに出てレストランで食事しようとしたとき
イケメンがミッキー声でなくおっさん声で、やっぱり遊びたいと雄たけびを上げた。
おいおい、明日は5時起きだぜと僕が制止しようとしたとき
とっつぁんが行こう
とぼそっと言った。
それで僕も決意を固めた。行くなら楽しまにゃ損だ。
で、僕らはサイディーンに行くことにした。
昨晩のナナは土地勘のある人らの遊び場。一方、サイディーンというところは日本人向けの遊び場なんだそうだ。
で、僕らはまた電車に乗りこんだ。
サイディーンの駅前、高架下は新橋や上野のガード下をもっと東南アジア風にしたアンバイだった。 屋台が軒を連ねていたんだよ。
実に美味そうではあったんだけど、僕らは手を出さなかった。
僕は4年ほど前にバンコクに出張したことがあってね。そのとき海外通の人に念押しされたことがあってさ。
屋台の食事は絶対食べないこと。具材はよいかもしれないけど、使ってる水が並みじゃない。慣れない日本人が口にしたら十中八九腹をこわす、出張がパーになる。
それは出張でなく観光も同じなでさ。滞在中にハラをやられたら目も当てられない。
タイ通のイケメンもまったく同意見だった。
で、僕らは屋台通りから路地に出た。そこはまぎれもなく日本人向けストリートだった。
でも、わざわさタイにまで来て、つぼ八やらなんやらでもないからねえ。
僕らは日本人街を先まで行って
タイの女性が手招きしてるタイ料理屋に決めた。そのおねえさんがたどたどしい日本語で愛嬌をふりまいてくれたので。
その店もまぎれもなく日本人向けだった。
それはグリーンカレーがそんなに辛くなかったからではない。
なにしろメニューに日本語があって
テーブルの横の本棚はこうだったんだから。
まあでもそれはよかったんだけど、あれはいただけなかった。
僕らの奥の席におっさんらがドヤドヤと入ってきた。
その人らがゴルフバッグを担いでいたんだよ。わざわざタイでゴルフでもないだろう。
でもまあそれもいいんだけど。
そのおっさんら、明らかにその道の人とわかる女の人らと待ち合わせして消えていったんだよ。
おいおい、ゴルフバッグ担いでそりゃないだろ、俺ら日本人です、これから旅の恥はかき捨てツアーの本番です
ってデカい声で宣伝してるみたいなもんじゃないか。
もっとも日本人だけじゃないんだけどね。
欧米人もそうだ。彼らは主に家族連れや恋人同士でバンコクやアユタヤを楽しんでいたけど。
そうでないしょぼいボッチが現地の女の人と連れ立っている姿もちょくちょく見受けられた。 見受けられただけじゃない。 僕らが乗ったエレベーターのドアが途中階で開いたら、そういう一人が女子とハグしてやがって、臆面もなく二人で乗り込んできやがった。
イケメン曰く あいつら地元じゃモテない分、こっちに来ると見境なくなる
僕らはそういう外道じゃないまっとうな男子なんでさ。
ちょっと女の人とおしゃべりしてカラオケ歌うくらいの健全な夜を過ごしたよ。
ええと、赴いたのはこの店。ビルの一番てっぺんにある処。
最初に日本語ペラペラのおっさんに値段を確認した。
お一人様1時間1000。お客さんは呑み放題。女の子はワンドリンク200バーツ。
女の子たちは日本語は不得手で英語ならできると言う。
なので、僕らが英語縛りでカラオケした。
学生時代に合唱団で鳴らしたとっつぁんがマイウェイを朗々とした声で謳いあげて、やんやの拍手を浴びて。イエスタデイ・ワンスモアなんてのも歌い。
イケメンが思い出のサンフランシスコなんてので対抗して
僕も横に座ってくれたサノさんという若い女性のために柄にもないこういうのを歌っちまったよ。 エヴァンゲリヲンというアニメのEDがこれのカバーなので、馴染みがあるもんだから。
Frank Sinatra Fly Me To The Moon
https://www.youtube.com/watch?v=mQR0bXO_yI8
さて、もうすぐ出勤だ。
いや、さすがにタイ帰りの翌日に朝から出勤はしんどいんでね。
今日は半休とって、午後出勤にしてあるんだよ。
思い切りリフレッシュしたので、これからまた労働に励むぜい。
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