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2020年01月25日12:44

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だいこんのお花畑

今週初めの日曜日、僕は居間のテレビでネコと一緒にアマプラを鑑賞した。

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「2」だ。

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相変わらずマカロニ・ウェスタンばりにド派手なB級アクション。

そのマカロニ界で一時代を画したフランコ・ネロは代表作の一つで、シリンダーに弾を補填しないで何十発も撃ちまくった。 僕はそんなのどうでもいい、面白ければいいじゃんだったけど。 その作品はこれだからマカロニはと評論家やオールドウェスタン・ファンから失笑を買った。

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その反省に立ったからかどうかはわからないが、キアヌ・リーヴスはマガジンをこまめにチェンジしたり、敵の拳銃をもぎとったりして、連射しまくりに一応の辻褄をつけていた。

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その懐かしいフランコ・ネロのゲスト出演シーンになったとき

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玄関のピンポンがなった。

ドアを開けるとご近所さんが立っていた。郷から野菜を送ってきたのでおすそ分け。キャベツとダイコンのどちらがよいかと問われて。

僕はいったんキャベツと言いかけて、ダイコンに変えてありがたく頂戴した。

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前日の土曜日、相棒のろまさんと食べたおでんのダイコンが美味だったことがなんらか脳内で作用したからだと思う。


先週の土曜は朝方はみぞれ、昼からも冷たい雨がそぼふるこの冬一番の底冷えの日だった。 僕はその夕方、とある用向きがあって池袋西口に赴いた。 ろまさんにも付き合ってもらった。


なので用向きが終わった後、イッペエやった。

ろまさんは池袋西口界隈に土地勘がある。 通りの向こうのビルを指さして、いっときあそこの雀荘に朝から晩から次の朝まで入り浸っていた時期があると言ったりする。

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その地元精通者の案内でもつ焼きが美味いという店を目指したら、まだ開店前だった。

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なので、やはりもつ焼きが売りのチェーン店に入った。

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なにしろ芯まで冷えていたので、コップ酒の熱燗をもらって人心地ついた。

そこは黒々の静岡おでんも売りにしている。もつ焼きよりもさくっと出てくる。

なので、熱燗のアテに昆布、玉子、牛筋それに大根を頼んだ。 おでんといえば、なんといっても熱々の大根だからね。

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その後、ハツやらなんやらの串を食べて熱燗のコップ酒を重ねて、身も心も温まった頃合いにお勘定をして。

さっきは準備中だった店に舞い戻って。

またしても、もつ焼きなどをいただきながら歓談を続けた。

朋友と居酒屋でイッペエ。底冷えの池袋がほっこりの池袋に様変わりしたよ。

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このように大根は日本の冬になくてはならない食材だ。

なので、外出から帰ったカミさんにお大根は買ったばっかりよ、キャベツの方がよかったのにと言われても問題ないのだ。


大根は冬だけでなく、春夏秋冬いろんな料理の具になる。

なので、ろまさんがひいきにしている大根料理が看板の居酒屋も1年通しての運営が成り立つ。

新宿三丁目の路地を入ったところ、末廣亭の近くにある店だ。

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大阪でもこの根野菜はオダイと呼ばれて親しまれている。

ブリ大根に豚角煮におでん、味噌汁に風呂吹き大根、大根サラダ、大根おろしから刺身にそえる短冊切りまで、煮るか生かが全国共通の大根料理の主流だと思うが。

乾物もある。

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漬物も日本古来の大根の活用法だ。

おれぁ、タクアンなんてものぁ、生まれてこの方いっぺんも食ったこたあねえexclamation

という人はあんまりいないと思う。

日露戦争後も生き延びていたという設定の土方歳三はこういう食べ方を好んだ。相方は永倉新八。

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一方、宝蔵院漬けは名前だけが伝承されているナゾの漬物らしい。

井上雅彦はその原材料を大根と見立てた。

武蔵が宝蔵院胤舜と邂逅したとき、槍の達人にして漬け物名人の爺様は大根畑で鍬を振るっていたからだ。

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なので、日本を代表する農業大学の収穫を祝う伝統行事は大根踊りなのだ。

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日本だけではない。 お隣韓国の代表的な漬物は白菜を用いるキムチであるが、その弟分のカクトゥギはダイコンから作られる。

韓国料理には和ものの大根も合う。 こないだの我が家の夕食はサムゲタンだったんだけど、それに頂き物をすった大根おろしを添えたら一段とお味が引き立ったよ。

大根おろしとポン酢と七味をかけるのがうちとこのサムゲタンの味わい方なんでね。

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台湾でもダイコンは食材として重用されている。 渋谷の有名店で食した大根餅は美味かった。

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しかし、ひらがな、カタカナ、漢字のどれがよいのか。だいこん、ダイコン、大根。。

それぞれ微妙にニュアンスが変わってくるので、どれかひとつに決め打ちしないで、そのときどきの文脈に一番なじむものを選ぶのがよいのだろう。


DAICONもある。

朝ドラと一緒で、東西代りばんこに開催される日本SF大会の大阪回のときの略称で、DAIは大阪の「大」CONは大会を意味するconventionから来ているそうだ。

その道の人には昔から有名だったらしいけど、僕はいしかわじゅんの漫画で初めてその存在を知った。 この短編集に掲載されていた「だいこん戦記」という日記風漫画に出てきたんでね。

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舞台は1980年代初頭に開かれたDAICON。

「約束の地」を退けて「気分はもう戦争」が星雲賞に選ばれて。 いしかわじゅんは「約束の地」の方が上だけど大友は旬だからななどと負け惜しみを言ったりしていた。

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吾妻ひでおも出てくる。 当時、いしかわとあぢまのやらせ確執騒動は漫画界のパロディネタになっていたからね。 いしかわじゅんが毎日新聞に寄せた弔文のとおりだ。

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そういう時代だったので、吾妻ひでおの不気味博士といしかわじゅんのパンクドラゴンがあぢま的美少女を間にして対決する1981年度のDAICONで上映されたオープニング作品は拍手喝采で迎えられたそうだ。 最後にしっかり大根も出てくるよ。

Daicon III Opening Animation ダイコンフィルム ダイコン・スリー アニメ


https://www.youtube.com/watch?v=gXwGIMCYkk4


フィルムを制作した庵野秀明たち大阪芸大生、後のガイナックス一派とDAICONの関りについてはこの著作に詳述されている。

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その辺のDAICON的な事柄は現在制作中の庵野監督のシン・ウルトラマンにまでつながる今日的な出来事であるが

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一方で、死語となった大根言葉も多い。

今どきの子供はかつて僕らがそうしたように、クラスメイトの女子に向かってやーい、やーい、大根足やーいといったからかい言葉は発しないであろう。

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第一、昔流行ったツィッギーみたいなポッキリ折れそうなあんよはたいていの男はあんまり好みでない。

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その辺は当の女性陣と受入れ側の野郎陣とでは、指向に乖離があるような気がする。

女性陣にはお正月にお餅を食べすぎちゃったわとダイエットに励む向きが多いようであるが、野郎陣にはもったいないと思う者が少なからずいると思う。

俺らが好きなのはツィッギー足や少女漫画足でなくて、もっとこう弾力的というか、ムチムチというかの夏のお嬢さんなんだよ。

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なんでここで榊原郁恵なのかというと、大根おろし添えのサムゲタンの夕餉のお供にした番組に出演していたから。 往年の健康優良少女はガハハ系のおばはんになっていたが、よさげな性格っぽい感じは昔のままだった。

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同じ頃、こういう大根足の人も人気を博した。

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なんでここで宮崎美子かというとガッテンの翌日の夕餉、大根入りの味噌汁をすすりながら見た番組に出演していたから。 かつてのポニョポニョ系少女はインテリ系おばはんになっていたし。 そもそも番組そのものが大河ドラマの番宣むき出し、明智光秀は領民に慕われる名君だったとかなんとかだったので、あんまりちゃんと見なかったけどね。

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ということで、懐かしの一曲

夏のお嬢さん 榊原郁恵(1978)


https://www.youtube.com/watch?v=220bLj-RjbE


大根役者というのもある。

そういう風に呼ばれた俳優の中で僕が印象深いのはこの人だ。

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「荒野の決闘」のドク・ホリデイはムキムキの筋肉だけが取り柄と言われたヴィクター・マチュアの一世一代のハマり役だった。

酒場のカウンターでシェイクスピアをそらんじる肺病病みのインテリ。

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ニヒルなガンマンながら、盟友のワイアット・アープが死地に乗り込むことになると助っ人を買って出る。 で、荒野に散る。

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ほとんど天保水滸伝の平手造酒そのまんまの日本人好みのキャラクター。イカシてた。

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いかしているといえば、だいこんの花はきれいなものらしい。

自分自身が実際に見たことがあるかどうかというと、記憶が定かでないが。

画像を眺めているだけでも楚々として凛としている風情が伝わってくる。

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これが畑一面に咲いたら見事な景色になるだろう。

だがしかし、実際には花が咲く前に大根を収穫してしまうので、人の目に触れることは少ないという幻の花畑らしい。

現実には存在しない桃源郷のようなもの。

それが奥会津には存在するそうだ。

アザキ大根という自生の大根の花畑だそうで、見応えのある風景なんだって。

おしまい

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