昨日、相棒のろまさんと毎年恒例のフェスティバルに行ってきた。
場所は上野の東京都美術館。 開催されてたのはこれ。
マイミクの彫刻作家、無花果さんが作品を出品するんで、招待券を送ってくれるんだよ。
で、僕はろまさんと一緒にありがたくご招待に応じて、そのときの様子をmixi日記にするのを習わしにしてるんだ。
いつもは29日の天皇誕生日に行くんだけど、この日は僕は大阪から帰ってきたとこだったんでね。 1日ずらしてもらった。
この日はろまさんは出勤日だったんだけど、昼過ぎにはハネるという。
僕も午前中は弟とお袋さんの御機嫌伺いに行くことにしてたんでちょうどよかった。
で、その日の朝、プレミアムな休日ていうノーテンキな日記に寄せてもらったコメントにレスを入れてたら、これはこれはというコメが入ってた。
無花果さんと共通マイミクのりどるさんも日彫展に行くんだと。
僕はほかの方々の順番をすっとばさせてもらって、おいらも今日の午後行く予定です、よろしければmixiメールでご連絡くださいというようなレスを入れた。
直接メールした方が確実なんだろうけど、まあ、相手は女性なんでねえ、ちょっと不躾かもと思ってしまったわけだ。
で、お袋さんや弟とダベッたりしながら、ときどきガラ携でmixiをチェックしたんだけど、りどるさんからの返事は入ってない。
まあ、今日の今日の話だし、しょうがないかと思いながらJRに乗った。 で、1時ちょい前の上野駅でろまさんと合流して、上野公園に向かった。
僕らがここに出向くときはいつもピーカンで、昨日もそうだった。 前日の天皇誕生日は
雹やら雷やらであやしい空模様だったので、1日ずらして結果オーライだった。
僕らは公園や動物園の人の群れの中を進んで、一番奥にある美術館にたどり着いた。
で、毎年のことなので勝手知ったるABCホールに歩を進めた。
会場にはいろんな彫刻作品が所狭しと並べられている。
しかし、とりあえず僕らは用はない。 目指すはあくまで無花果作品。
で、無花果さんの作品はひと目みればパッとわかる特異な形状なんだ。
鋼線だけで形作られたオブジェ。 アバンギャルドというかなんというか。
で、僕らは一つのホールを廻って隣に移ろうとしたところで、あった!と声をあげた。
あった、あった。 今回のタイトルは「半身」。
僕らは正面から見つめて、う〜んと唸った。 いつもにもまして、わからん。
僕 「女子がいるはずなんだけど、見分けられん」
ろま 「この曲線は女体のものだろうけど、いつもよりもっと抽象化されてる」
僕 「むむ〜、だいたい半身ってなんだ」
ろま 「半身の構えとか」
僕 「剣術かい!」
ろま 「いや、こっちの角度から半身になって鑑賞すべきなのかもしれん」
そんなこんなでためすがめつ眺めたんだけど、よい解が見当たらない。
で、ほかの展示物を眺めてクールオフすることにした。
僕 「猫作品が三体ある。やはり群を抜いて人気があるのがわかる」
ほかにも動物像はカンガルーやらクマやらカメやらシカやらオオカミやらがいたけど、ぜんぶ一体だけ。 複数あったのは猫だけだったのだ。
ろま 「人物像は女性が多い」
僕 「凹凸(おうとつ)があるから作りがいがあるんじゃないかね、やっぱ」
ろま「こういうのはモデルさんがいるんだろうけど、無花果さんはどうしてるのかな」
僕 「う〜ん、モデルさんがいたとしたら、仕上がりを見てなんていうのかなあ」
ろま 「そもそもこれらはみんな、見たらすぐになにかわかるのばかりだ」
僕 「彫刻の世界って意外と伝統芸的というかコンサバなところがあるのかもだ」
僕は前日大阪の宿舎を出る前に見たアニメ「サクラクエスト」を思い出した。
ひょんなことで東京から田舎にきたヒロインが仲間と一緒に町起こしに奮闘する話でね。
JK、JC流行りの中で短卒の就活浪人を主人公に据えたのがわりかし新しいし。
制作会社P.A.ワークスならではの風景描写が冴えてるしで、毎週楽しみにしてる。
そのサクラクエストの最新話に職人気質の木彫り作家が登場したんだよ。
で、まあ、僕らはほかの会場を一巡してまた無花果さんのところに戻った。
僕 「無花果さん的な作品をなんて呼べばいいんだろう、シュールというのは違うし」
ろま 「超現実主義って現実の細密な描写をゆがめた感じだもんな、ダリとか」
で、写真撮影した。 去年も登場したナゾのフード男。 一応、作品の寸法を測る目安になると思う。
ちなみにこれが1年前の無花果作品とワタクシ。
作品のタイトルは「MOTION」。 躍動する女性の姿が描かれてるのが見て取れると思う。
一方、僕の方はズボンがジーンズになっただけで、あとは丸まんま一緒だけど。 まあ、なにしろ服を買うのは数年に一回という洋服屋の天敵的な男なのでしょうがない。
で、また二人でああでもないこうでもないと解釈論を戦わせたんだけど、どうも腑に落ちるものにならない。
そうこうするうちに、僕は後ろの方から同じく「半身」を鑑賞している女の人に気がついた。 若い男の人と一緒で、そういえばさっきも見かけた。
で、ピンときたわけだ。
「この作家さんのお知り合いの方ですか」
「はい、ネットを通じた知り合いです」
「もしかして、りどるさん? なしごれんです!」
そのふくよかな女性はまぎれもなくりどるさんだった。 連れは息子さん。
お母さんに目鼻立ちが通じる柔和な感じの若者だった。
アニメ面の勉強熱心な見所のある奴なことはりどるさんから教えてもらってる。
で、僕の方はろまさんを紹介した。
そしたら、りどるさんが鍾馗兄さんが畏敬してますみたいなことをおっしゃったので、違う違う、それはへろへろさん、なんていう一幕もあった。
で、お互い無花果さんの作品世界の素晴らしさを語り合ったんだけど。
僕らが今回は解題が思い浮かばない、ギブアップかもという話をしたら。
りどるさんが実は自分は無花果さんから教えてもらってる、知りたいですかと言うので。
是非、教えてくださいとお願いした。
で、教えてもらったネタバレがこれ。
「君の名は。」
ええっ!だったよ。 それは発想の外だった。
僕はもちろん映画館で見たよ、前年度No.1ヒット作。
僕らヲタクの間では元から名声を博していた新海誠が一般市民の間でもメジャーになった一作。 都会と田舎の風景の対比や光の加減を描く新海クオリティーも全開で、日本アニメ史に一歩を刻んだ一作だ。
しかし、実のところ、この男子と女子が入れ替わるある意味古典的な話と目の前の「半身」がどう交わるのかなあとも思った。
そしたら、りどる息子がこれじゃないですかね、とスマホにこれを表示してくれた。
なるほど、そおかあ、だった。
たしかに「半身」はこのポスターを思い切りデフォルメして表現してるなあ。
それにしても、無花果さんが「君の名は。」にそれほどハマった感じは受けてなかったんだけど。
よっぽど感銘を受けたんだろうなあ。 よいことだ。
で、僕らはりどるさん母子にお別れすると、ABCホールを後にした。
美術館の出口に今の看板興業のブリューゲルのバベルの塔をモチーフにした大友克洋の作品が展示してあって、ためすがめつ眺めてから出た。
で、これまた恒例で、アメ横の大統領に行った。
で、もつ焼き盛り合わせやら合鴨の燻製やらをパクつきながら常温ポン酒を飲んだ。
僕はカウンターで隣同士になった兄ちゃん(といっても47歳)とダベッた。 なんでも学生時代からの常連さんで、今は別のところに住んでるんだけど草野球の試合があって出てきたので寄ったんだと。
一方、ろまさんもあっちの隣の女性が長野出身だということで、同郷同士でダベッてた。
まあ、そういう風に楽しく過ごしたんだけど。
好事魔多し!
帰りの電車でメガネを失くしちまった。 いや、なんでメガネなんかと思うでしょ。
実際、カミさんにもアホちゃうと呆れられたんだけど。
記憶がまったく消失しちゃっててねえ。
昨日の夜すぐと今日二回JRの落し物コーナーに問合わせたんだけど、出てきてないと。
まあ、そんなことはあったけど。 そんなのは瑣末なこと。
アーティスティックでmixiならではでアメ横バリバリの楽しい一日だったよ。
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