状況を開始するっていう決めゼリフを知ってる?
特殊部隊かなにかの軍隊用語が語源なんじゃないかと思う。
漫画やアニメでその道のプロフェッショナルのチームが作戦行動を開始するときによく出てくる。
最近ではヨルムンガンドが巧く使ってた。
でも、ハリウッドものの字幕では見た記憶がないので、もしかしたら日本のヲタク族特有の符牒なのかもしれない。
とにかく僕も昨日、その状況を開始した。
12月29日から始まった長〜い年末年始休暇の最後の1日手前だ。
僕は昨日、大阪に帰ってきたんだよ。
もちろん今日も国民の休日なので、ぎりぎりまで家にいてもよかったんだし、そうするのがまっとうなのかもしれない。
実際、10数年前の40代だった頃、京都に単身赴任していたときは、僕もそうしてた。
家族と夕餉を共にしてから、勤務地に復帰すべく暗い夜道を駅に向かったもんだ。
でも、それをやるとねえ、家を出るのが実に切なくなっちゃうんだよ。
日曜夜6時半放送のテレビアニメのEDが始まると、ああ、休みが終わっちまったとブルーな気分に包まれるサザエさん症候群の変形だ。
で、独り新幹線で缶酎ハイを飲みながら夜の車窓を眺めてると、このメロディが頭に浮かんできたもんだ。
ウイスキーの小瓶 みなみらんぼう
https://www.youtube.com/watch?v=B3CYLaPypoQ
ウィスキーの小瓶を口に運びながら 涙と思い出を肴にして
酔いつぶれてしまいたいなどと 思っているこの僕を
貴女が見たら子供のようだと きっと僕を笑うでしょうね
わかっていながら飲む男の気持ちなど 貴女は知りもせず ♪
列車の窓に僕の顔が写る なんてみじめな姿なんだろう
戯れだと思っていた恋に 打ちのめされてしまうなんて
こうして誰もが大人になってゆく そんな話をどこかで聞いたっけ
人間同士の辛い別れという劇を 今 僕が演じている ♪
で、まあ、らんぼうさんの歌詞にある「こうして誰もが大人になってゆく」のを超えて、還暦まであと1年ちょっとの甲羅の生えたオヤジになって知恵もついてるんでさ。
そういうメメしくなるシーンは避けて、昨日の朝に家を飛び出したわけだ。
門出のナンバーはヘッセのDer Steppenwolf(荒野のおおかみ)をバンド名にしたカナダの連中のこっちじゃないとね。
ワイルドでいこう Born to Be Wild ステッペンウルフ
https://www.youtube.com/watch?v=Cfk4Bqub2Eo
日本語歌詞の方は僕の勝手な意訳なので、間違ってたらごめんなさいだけど、おおむねの感じはこんなもんだと思う。
Get your motor runnin' モーター、回せ
Head out on the highway ハイウェイをぶっとばそうぜ
Lookin' for adventure 冒険探しだ
And whatever comes our way 俺たちのやりかたでな ♪
Yeah Darlin' go make it happen ダーリン、ぶちかますぜ
Take the world in a love embrace 愛撫しながらこの世界をつかむんだ
Fire all of your guns at once and ガンをいっぺんにぶっ放せ
Explode into space めいっぱい爆発させろ ♪
I like smoke and lightning 俺は煙草に火をつけるのが好きだ
Heavy metal thunder ヘヴィー・メタルなカミナリもな
Racin' with the wind 風と競え
And the feelin' that I'm under そうすりゃこのフィーリングを味わえるぜ
僕はイージーライダーのこのオープニングが好きでねえ。
本編はそんなでもないんだけど、この出だしだけはイカシてると思った。
ピーター・フォンダはバイクを駆る前に腕時計をしげしげ眺めてから投げ捨てる。
これから自由な旅を始めるぜという象徴だ。
ただし、僕の方は不自由な生活への状況を開始するので、大分違うスタイルを取った。
昨日は朝にカミサンとまりんに玄関で別れを告げて、迎えにきてくれた弟のクルマに乗って、お袋さんのご機嫌伺いに行った。
で、それが終わった後は浦和駅まで送ってもらって、東京駅に出て12時半発ののぞみに乗り込んだ。
車内食はカミサンの握ったおにぎり2個と台所から失敬したスナック菓子がある。
で、東京駅の改札入る前のコンビニ(入ると割り増し値段になる)では、缶酎ハイだけ調達するつもりだったんだけど。
ふと思いついて、日経新聞も買った。
なにしろ休暇中はほとんど新聞を見てなかったんでさ。 ビジネスモードにチェンジするのに最適なアイテムだと思ったわけだ。
それにこの新聞の日曜版は政治経済や文化の特集記事が豊富なので、昨日の僕にはちょうどよいあんばいだったので。
そしたら、大正解だった。
かの007も所属していた英国秘密情報部MI6のジョン・サワーズ前長官のインタビューなんかが載っててね。
「幻想なき冷徹な世界観」、なかなか読ませたよ。
ウイットもある。 最後はこんなコメントで締めくくられててね。
「ジェイムズ・ボンドは現実とは違うがそれでも私は大ファンだよ。ダニエル・クレイグの演じるボンドは最高だ」
さらによかったのが「美の美」欄。 熊谷守一の魅力を伝える特集でね。
仙人と呼ばれ、猫をモチーフにした作品を多く描いたこの画家の展覧会が今年11月に東京国立近代美術館で開催されるという。 いかねば。
やっぱ、ロートルなサラリーマンたるもの、サワーズ長官みたいなクールな目と熊谷画伯のような飄々とした味を兼ね備えてないとね。
例えば、非力な身でこんなセリフを吐いたら、あっというまにぺしゃんこにされる。
「おめえさん方、あっしをお斬りになろうってんですかい、よしたぁ方がよくはござんせんかい」
一方で、いつもいつもこんなことを言ってたら、誰にも相手にされなくなる。
「あっしにはかかわりのねえこってござんす」
じゃあ、どうすればいいのか。
前期放映されてたアニメ「ガーリッシュナンバー」が参考になる。
いや、これ、ちょっと見は美少女萌え系なんだけどさ。 アニメ界のクズな裏側をけっこう辛辣に描いててさ。
その中でもクズ中のクズなキャラ、その名も九頭P(プロデューサー)が最後の最後に男気のあるセリフをかますんだよ。
「仕事だ。頭下げにいくぞ!」
で、今日も状況を続けたよ。
午前中は薄日がさして気温もまあまあだったので、十日以上留守にして閉めきっていた窓を開け放ったまま散歩に出かけた。
週末の定例コース。
まず心斎橋筋を歩いて、アーケード街に響く大阪弁のシャワーを浴びた。
で、アジアンカオスのコアともいえる戎橋に出て、グリコの看板を拝んだ。
で、道頓堀の川端遊歩道を日本橋までぶらぶら歩いた。
もうねえ、大阪に帰ってきたぜ!気分がモリモリになった。
ついでにスーパーやドラッグストアに寄って、シャンプーや練りからし、袋詰め大根サラダにロールパン、特大ペットボトル緑茶といった生活必需品を贖った。
中でも一番大きな買い物はロフトで見つけて大枚1千円をはたいた今年のカレンダーだ。
岩合光昭の「のら」。
やっぱ1年を通じてお付き合いするものだからね。
少しくらい値が張っても、気に入ったものを選ばないと。
さっそく食卓の横の壁に掛けたけど、さすが名手の手になるもので、どの月のノラちゃんもいい顔してるよ。
で、今期アニメの「スクスト」の第1回を見ながらベイカリーの調理パンを食べた後、昨日からの自分の行動を反芻しながらこの日記を書いたわけだ。
しかし、ほんとの出撃、明朝までにはもっと気を高めねば。
それにはなんといっても、アニメ、アニメ。
自宅ではなんだかんだあってそっちの方が楽しかったりで、やっぱりそうは没頭できなかったし。
昨晩はこの日のために取っといた前期作のユーフォとブレパンの最終回を見た。
特に後者は意気があがる終わり方だったぜ。
今日もこれからラグビーやお相撲は置いといて、すでに続々と放映されている今期作たちの初回を見るよ。
なにしろ、落語心中、あいまいみー、亜人ちゃんにうらら迷路帖エトセトラで期待作がてんこ盛りなので。
で、最後はこの歌で締める。
いや、昨日、弟のクルマの中で埼玉のFM放送NACK5を聴いてたら、新春にふさわしいアニソン特集というのをやっててさ。
進撃の巨人とか僕はなるほどとわかるけど、一般人の弟にはなんじゃこれが続いた後。
これが流れたとたんに、おお、たしかに新春的な響きだ!と兄弟で意気投合したんだよ。
僕 「一定の年齢層のカラオケでは必ず誰かがこれを歌う。で、受ける」
弟 「俺んとこなんか音痴のおばさんがこればっかり歌ってたら、いつのまにか上手になってた」
タッチOP 岩崎良美
https://www.youtube.com/watch?v=dsZlS4lTNhs
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