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2015年03月14日18:47

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ジャイアント台風問題

こないだ、職場で笑いを取っちった。

会議招集のメールにレジュメを添付したんだけどさ。

その中の「○○に係る情報開示のプロセス」とかいう文言を「情報開示のプロレス」と書いちゃってたんだ。

それが色んな部の大勢の人に打ったメールだったんでさ。 かなり受けた。

「今度の会議のテーマはジャイアント馬場対ボボ・ブラジルかい?」とかね。

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この故馬場正平氏、ジャイアント馬場という人はかつては国民的なヒーローだった。

今はプロレスというものはディープなファンが楽しむマニアックな世界の印象が強いけど。

僕が子供の頃は毎週金曜日と水曜日のゴールデンアワーに試合が実況中継されるメジャーな興業だったんだよ。

で、その中の一番のヒーローがジャイアント馬場だった。

インターナショナル・タッグ選手権コンビ、日本の誇るBI砲の相方だったアントニオ猪木も勿論ヒーローだったけど、当時は馬場に次ぐ準主役だった感は否めない。

なので、当時は馬場の方が少年漫画に登場する頻度もずっと多かった。


例えば、タイガーマスクだ。

ジャイアント馬場はあの漫画の中の白眉、覆面ワールドリーグ戦に颯爽と登場する。

タイガーは初戦のミスターノーはまあわりかし無難に片付けたけど、次のゴールデンマスク戦でベラボーな反則に会って大負傷する。

それでも次に控えるエジプトミイラ、更にはライオンマンという強豪を倒さないと、孤児院の子供たちのための賞金をゲットできない。

そこにゼブラマンというナゾの巨人レスラーが現れて、リーグの決勝戦はタイガー、ゼブラvsライオン、ミイラというタッグマッチで争われることになる。

果たして、このゼブラマンの正体は・・・ という小学生にもすぐにネタ割れした話だった。

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馬場は平松ードーベルマン刑事ー伸二の「リッキー台風」にも大事な役回りで登場した。

なにしろ、主人公のリッキー大和は故力王岩の息子なんでね。 馬場の下で全日プロでデビューするのは当然だったわけだ。

もっとも、この漫画には猪木もかなり登場してた。

リッキーのライバルがカール・ゴッチの弟子という設定で、ゴッチは猪木に頼んでこの弟子を新日プロでデビューさせることになるんでね。

ジャンプに連載されたこの漫画、いまどきだったら腐女子が騒ぎそうなイケメンの裸満載の世界だった。

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ジャイアント馬場は実名だけでなく変名でも漫画に登場した。

例えば、「愛しのボッチャーね」

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なんていう名前だったか忘れたけど、馬場さんそのもののキャラがいたよ。

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ちなみにマイミクの蟹座さんは作者の河口仁さんと後楽園ホールで顔を合わせてるうちに友達になったそうだ。

蟹座さんは僕らの世代が中坊の頃ほとんど例外なくハマった「太陽にほえろ」を見たことがない、なぜなら金曜8時のプロレスアワーの裏番組だったからというプロレス一刻者なのだ。


ハードなところではこれが代表格だろう。

「高校鉄拳タフ伝」のアイアン木場。 すっげえつええ奴だったぜ。 

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しかしジャイアント馬場という不世出のレスラーを真正面から描いたということでは、この作品がなんといっても唯一無二の存在だ。

ジャイアント台風(タイフーン) 原作:梶原一騎、作画:辻なおき

週刊少年キングに1968年から1971年まで連載

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連載前半の2年間、馬場がアメリカで武者修行する姿を描いた辺りは、僕が小学5年から6年生の時期で、プロレスにハマっていた時代だ。

で、この漫画にもハマった。

まあ、その後中学生になって、矢吹丈、大場政夫、モハメド・アリという三大ヒーローの影響でボクシングに興味が移ってからは、あんまり読まなくなっちゃったんだけど。

小学生のときは次のキングが出るのが待ち遠しかったよ。

例えば、馬場が宿命のライバル、人間発電所ブルーノ・サンマルチノを初めて目の当たりにするシーン。

馬場が試合に出るべくマジソン・スクエア・ガーデンの通路を行く。 と、観客席の様子がおかしい。 で、マットの上の異様な光景を見て、ああっと驚く。 なんだろう、なにが起きたんだ。

で、次回に続くになっちゃうわけだ。 たしかこのシーンだ。 後ろにいるのが力道山ね。

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で、次回のキングを見た。 そのリングでなにが起きてたかというと。

新人サンマルチノが人間空母またの名をお化けカボチャ、300キロを優に超えるスーパーデブのヘイスタック・カルホーンを頭上に高々と持ち上げていたんだ。

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このサンマルチノと馬場という後に日米を代表するプロレスラーになる二人のライバル心と友情は、星飛雄馬と花形満を彷彿させるものがあった。

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まあ、そういうサンマルチノの描き方はよかったんだけど。

彼の先達のMSGの帝王、アントニオ・ロッカの出し方はちょっとあんまりだ、ほんとにこんな非道いことがあったのかなあと思ったのを覚えてる。

なにかというと、ロッカが売り出すきっかけになった試合のこと。

彼は終戦直後のジャップ憎しの時代に日本人柔道家と対戦する。

で、必殺のアルゼンチン・バックブリーカーを決める。 柔道家はたまらずタップする。

ところがレフェリーは無視する。 ロッカも技を解かない。

で、哀れな柔道家はキル・ジャップ!と叫ぶ観衆の前で血へどを吐いて絶命しちゃうんだ。 

で、馬場がその事実を知って、ロッカとの試合に闘志を燃やすという展開になるんだけど。

いくらなんでもあんまりっしょ。

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もちろん、これは梶原一騎一流の創作だったわけだけど。 ちょっとやりすぎっしょ。

あまつさえ、僕は忘れてたんだけど。

この作品に造詣の深いマイミクのちんぷい、さんによると。

ロッカは馬場との試合に敗れて人気がなくなって、落ちぶれて死んじゃうことにされちゃうんだ。

ご本人はピンピンしてたのにね。


後年、例の「空手バカ一代」がヒットしたときはもうちっと大きくなってたので、梶原実録モノは面白いけどフィクションというか有り体にいうと嘘八百オンパレードだというのがわかってたけど。

小学生の身では、いくらなんでも毎週ブラウン管越しに見てる人を主人公にした伝記なんだから、ホントのことがベースにはなってると思ってた。

まあ、後になって冷静に考えてみると、プロレスが真剣勝負という物語の土台からして、これはフィクションですよと公言してるようなもんだったんだけどね。


子供心にもロッカに続いてそんなことがあるんかいと思ったのは、殺人鬼キラー・コワルスキーのエピソードだ。  

コワルスキーはユーコン・エリックという選手と対戦した際に、必殺ロープ最上段からのニードロップを撃ち損じてエリックの耳を削ぎ落としてしまう。 エリックはその後自殺。

で、コワルスキーはちぎれた耳を連想させる肉料理を一切食べられなくなってしまう。

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ここまでは納得性があった。 耳削ぎ落とし事件は史実としてプロレス本に紹介されてたしね。

ただ、その後がねえ。

菜食主義者になったコワルスキーはガリガリになる。 

で、地獄の音響パンチを放つようになったというんだ。 

コワルスキーの拳は骨がむき身みたいなもの。 これで殴ると拳の骨が相手の骨にぶつかってカツン、カツンという音響を発するというんだよ。  

あんまりっしょ。

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一方、あんまり違和感なく見てたのもあった。 鉄の爪フリッツ・フォン・エリック編だ。

馬場はテキサスの帝王的な存在のエリックとあっちの地元で金網デスマッチ(だったと思う)を戦うことになる。

エリックの必殺技は相手の顔を鷲掴みにして絞り上げるアイアン・クロウ。

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で、馬場はこの技を打破すべく地獄の特訓をやる。 こういうの。

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ところが、インタビューでこんな特訓をほんとにやったのかと質問された馬場氏は、「そんな事をしたら死んじゃうよ」と答えたそうだ。

というか、そもそもジャイアント馬場がフリッツ・フォン・エリックと初めて対戦したのは、あっちが来日したときだったそうだ。


そのジャイアント馬場をリアルタイムでフォローしていた小学生時代の僕にとって、ついに現れた最強の敵はこのタッグだった。

荒法師ジン・キニスキーと金髪の妖鬼ジョニー・バレンタイン

特にバレンタインのエルボーの切れ味は凄まじかった。

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このコンビがインターナショナル・タッグ選手権に挑戦してきたときは、さすがのBI砲も危うしかと思ったね。 もちろんテレビで観戦した。 内容は忘れちゃってたんだけど。

いつだったか、この試合のことを日記に取り上げたとき、実際に試合場で観戦した蟹座さんが特に馬場がバレンタインに押されまくりだったと教えてくれた。

しかも、「金髪の妖鬼」として来日したときのバレンタインは大分衰えていて、「金髪のジェット機」と呼ばれた全盛期はさらに強かったそうだ。

そこでふと思ったわけだ。

そういえば「ジャイアント台風」にそれっぽい金髪のハンサムボーイが出てたなと。

そしたら、ちんぷい、さんがまさしくあれはバレンタインだったと教えてくれた。

これがねえ、実に情けないキャラだったんだ。

馬場の必殺16文キックをいったんはスライディングで破ってヒーローになるんだけど。

フレッド・アトキンスの下で一本足特訓をした馬場と再戦したら、そのスライディングが通用しなかった。 で、コーナーポストでへたりこんでノー、ノー、ヘルプとか騒いでるところを16文でのされちまうんだよ。

これもあんまりっしょ。


馬場のお母さんのことも、中島らもがあんまりっしょと喝破している。

いや、ご母堂がさ、体型も顔立ちも息子さんとそっくりだったんだよ。

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もっとも、このご母堂の容姿は後半に登場した際は別人に変わっていたそうだ。

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しょっぱなの方に出てくる力道山道場の地獄の蜂特訓もあった。 こういうの。

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「Fate/Zero」の間桐雁夜じゃあるまいし。 これも、そんな事をしたら死んじゃうよ、の一つだ。

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ということで、「ジャイアント台風」という漫画は、面白ネタてんこ盛りの作品なんだ。

つらつら書いてるうちになんだかもう一回読んでみたくなってきちゃったな。

でも、大分昔の作品なので、漫画喫茶には置いてないだろうなあ。


最後は故馬場正平さんの懐かしのテーマ曲と映像。

今回名前を上げたヒールたちもほとんど出てくるよ。



https://www.youtube.com/watch?v=HOB9MFEdZV0

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