こないだ、ちょっと変わった趣向の新年会に参加したらやけに楽しかった。
仕事を一緒することの多いセクションの会合に呼んでもらったんだけどさ。
職場の食堂を業後に借りて催したその新年会は、参加者が自分の故郷(くに)の一品を持参して、それを肴に楽しく飲もうという集まりだったんだよ。
テーブルの上にはそういう地元の名産が満載。 例えば・・・
秋田のいぶりがっこ、長野の蜂の子とイナゴの佃煮、山形のたまごスモッち、茨城のほし納豆と梅干、兵庫の明石焼き、山梨のアワビの煮貝、千葉の落花生、宮城の牛タンetc.・・・
正月は故郷に帰省する人が多いからね。 お土産を皆に披露できる、そういうタイミングを突いたナイスな企画だったわけだ。
参加者が一人ずつ順番に自分のお土産を解説しつつ、故郷のことを語る。
そのたびに、ほっほう、そりゃいいね!という合いの手が入る。
で、そういうお国自慢を聞くと、目の前の肴がいやがうえにも美味しくなる。
これは皆さんにもお薦めします。
いつもの居酒屋で新年早々にいつものようにくだを巻くより絶対楽しいから。
で、僕自身なんだけど。 はたと困った。
自分の故郷というと、まあ東京ということになるんだけど、浅草や深川の辺とかならなにかあるとして、世田谷やら八王子やらでは話題ネタにできるような酒の肴が思いつかない。
そうかといって、今の地元の埼玉も草加せんべいくらいしか思いつかない。
結局、新年会の当日の昼休みに近場の酒屋を物色して、自分としては第二の故郷だと思っている仙台の銘酒、浦霞を買った。 ほんとは浦霞といえば「禅」に限るんだけど、置いてなかったので純米酒にせざるを得なかった。
自分の故郷はどこなのか。
親父殿も僕も転勤族だったんでね。
これまでの人生を振り返ってみると、引越しにつぐ引越しばっかりだった。
世田谷区三軒茶屋、東京都八王子市、茨城県東海村、仙台市(正確には合併前の泉市)、兵庫県宝塚市、世田谷区三軒茶屋、川崎市新丸子、横浜市綱島、仙台市、さいたま市浦和、京都市、さいたま市浦和・・・ こんな感じ。
で、まあ、一応東京人といえば東京人だけど、小学校高学年のときに茨城の村に引っ越して、高校を卒業するまでそこに土着してたので、茨城県人ともいえる。
実際、初対面のお取引先との当たり障りのない話題として出身地のことが出ると、東京といっても話の接穂がなくなるので茨城の東海村ですということが多かった。
そうすると、原子力のこととか、水戸の梅のこととか、筑波学園都市のこととか、なんやかんやで話題が展開できるんでね。
特に東北で営業をやってたとき、秋田のお取引先と宴席を持ったときなんかは、茨城出身というだけで受けた。 なにしろ世に言われる秋田美人というのは、本来は茨城の産だったんでね。
かつて佐竹藩が常陸から秋田の角館に国替えになったときに、お殿様が土地の美人を根こそぎ連れていったというのは歴史的な事実らしい。
その結果、かたや秋田美人、こなた水戸・仙台・名古屋という三大エリアの筆頭にあげられることになった、らしい・・・
まあ、そういうことで、子供の頃からあちこちを転々としてきてて、こだわりのお国というものを持ち合わせないので、相手の話に合わせてひょいひょい出身地を変えちゃうこともできるわけだ。
ということで、僕は自分のことをボヘミアンだと思っている。
つっても軽いタッチ、流浪の人という程度の意味でのボヘミアンなんだけどさ。
このボヘミアンBohemianという呼称は、単に勝手気ままにさすらう者を指すロマンティックなものではなく、本来は民族、マイノリティー、抑圧などに関わる重い言葉のようだ。
なので、色んな意味でマイノリティーだったフレディ・マーキュリーが自分の曲のタイトルにこの言葉を持ってきたのには、深い思いがあったとされている。
この曲、かのギネスブックがやったアンケート「英国史上最高のシングル曲は?」で堂々のNo.1の座に輝いたそうだ。
英国でNO.1ということは、おそらく世界のポップス史上でNO.1ということだ。
なにしろ、あの国にはビートルズがいた。
さらにはメロディメーカーのランキングでビートルズを抜いたバンド、レッド・ツェッペリンもいたんだから。
それらを抜いて史上最高のシングル曲とされたのがこれ。
ボヘミアン・ラプソディ Bohemian Rhapsody クィーン
https://www.youtube.com/watch?v=fJ9rUzIMcZQ
人殺しのラプソディ(狂詩曲)を歴代トップに押し上げた英国人たちもすごいといえばすごい。
といっても、僕はこのナンバーがヒットしていた1970年代後半当時、歌詞をわかってなかった。
ママ〜とか甲高い声で叫んでるけど、マザコン系の内容なのかなとか勝手に想像してた。
そりゃしょうがない。 英語できないんだから。
で、それから30年くらい経って。
京都で一緒に仕事をしてた奴の単身赴任のマンションにお邪魔して仲間と飲み会をやったとき。
ロンドン駐在経験があって本場の生のクィーンを知ってるそのホスト役が、このCDはフレディの歌を日本人に伝える決定版だと言って、飲み会のBGMにこれを流してくれたんだよ。
で、それを聴いて、そおかあ、あの歌はこういう内容だったのかあ、と初めて知った。
なにしろオリジナルのほぼほぼ直訳なので。
メドレーの最初が問題の「ボヘミアン・ラプソディ」で、英語の歌詞も映るから、対比して聴いて見てみて。
ついでにメドレーのラストの「我ら横綱」も聴いてもらえるとうれしい。 たぶん、吹くから。
Queen直訳メドレー 女王様
https://www.youtube.com/watch?v=njN-pBqvNMI
そういうことで、この「女王様」という歌手の存在を知って後で調べてみたら、爆風スランプのリードギターをやっていたパッパラー河合という人物だということがわかった。
まあ、なんちゅうかの芸名だけど、クィーンメドレーを聴いてもらえれば、センスのある人だということはわかってもらえると思う。
実際、その後も地方のアイドルに過ぎなかったPerfumeのメジャーデビューをプロデュースしたりなんだりで、マルチに活躍している人なのだ。
で、そのボヘミアン・ラプソディだけど。
カウボーイ・ビバップの第14話「ボヘミアン・ラプソディ」は面白いよ。
このアニメのことは今年に入ってアップした日記のぜんぶにネタとしてあげてるんだけど、面白いんだからしょうがない。
その第14話のプロローグ。 1分ちょっとなので、見てみて。
https://www.youtube.com/watch?v=ULPF7RwHdyg
日本のポップスでは「ボヘミアン」がヒットしたね。
オリジナルは大友裕子のこれ。
https://www.youtube.com/watch?v=ygAMm0pneKs
ただし、「ボヘミアン」は葛城ユキのカバーでメジャーになった。
実際、大友裕子という人は「傷心」みたいなバラード調が本来で、ビートの効いたロック調は葛城ユキの方が一枚も二枚も上だったと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=9GU___1igyI
僕は元々、ハスキーボイスの女性シンガーが好きでね。
70年代後半、南沙織に代えて追っかけ対象にしたのはリリィだった。
で、彼女が心酔してるといったジャニス・ジョプリンも聴いてみてぶっとんだ。
その頃、葛城ユキもヤマハのポプコンで名をあげてたそうだけど、それは知らなかった。
僕が彼女を認識したのは80年代になって、ボニー・タイラーのカバーで「哀しみのオーシャン」を出したときだった。
速攻で気に入ってドーナツ盤を買ったよ。
ということで、最初は各地の名産品のことでもつらつら書こうと思ってたのがぜんぜん違うジャンルにいっちまった。
こういうのもボヘミアンの特性なのです。
ログインしてコメントを確認・投稿する