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2019年12月10日21:03

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調布市民カレッジ 金春流能楽講座 第2回

2回目のテーマは「眠くならない能の見方」。眠くならないかどうかはともかく、能の見方についての説明。相変わらず、たくさん脱線しながらもしっかり能舞台と能の進行についての説明があった。能楽堂は室内なのに、なぜ屋根があるのかという説明から能の歴史の話になり、元は野外で演じられたものが、明治維新以後に能楽堂が作られるようになったことの説明になり、背景の松の説明から脱線して、色々な能楽堂の松の絵の話になる。本来は老松を描くところなのだが、国立能楽堂の松は夫婦松だったり、中には若松が描かれたところもあるという話が面白かった。日本画の大家が描く時に、能楽の発展を祈って若松にしたとのことだが、結局、別の画家が老松を描き、1年交代で替えているとのこと。舞台の説明をするのに、実際の能の映像を見て、能装束の話になり、贅沢だけれど機能性はゼロで重くて暑いという話。金糸銀糸が使われているので、洗うことはできず、干すだけだけれど、実際に演じている時には、胴着や襦袢などを着込むので、汗臭くはならないことなど、本筋とは関係ないけれど、お話が面白くて、随分とわかったような気にさせられるのが嬉しい。
能の進行の話では、後見の役割についての話に力が入っていた。舞台の上で、師匠の側に控えて間近で芸を見ることが勉強になること。日本の芸の伝承について、西洋のようにオーディションをして最初に選ぶのではなく、修行の結果の上達が期待される世界だという話だった。一連の進行の説明の後、いつ拍手をするかという話になり、あぁ、なるほどそれは考えたことがなかったけど、大事な問題だと思った。拍手は西洋から入ってきた習慣なので、中には「拍手はしないでください」と張り紙する方もいるそうだが、山井先生の考えでは、演者としては拍手をしていただく気持ちも嬉しいので、舞台から囃子方なども含めて全ての人が退場してからが良いのではないかとのことだった。
肝心の「眠くならない」の部分については、能楽の音楽そのものが、幽玄の世界に誘うためのものであり、癒しの効果があるので、眠くなっても仕方がないという説明だった。えーって思ったけれど、何か違和感があって眠くならないのも問題だし、途中で寝てしまってもちゃんと得るものがあるはずとの説明だった。眠るのが怖くて、観に行かないのはもったいないということかも。

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