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2019年11月12日22:54

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調布市民カレッジ 金春流能楽講座 第1回

先日、「守破離」の展示を観に行った時に、この講座の案内を見つけた。どうも調布は「能楽Odyssey」と言うテーマで、能楽に力を入れているらしい。せっかくなので受講して見ることにした。(流派など考えるべきか、友人にアドバイスをもらおうかと思ったが、申込までの時間があまりなかったのと、そもそも、私のような初心者レベルで問題にすることはないと考え直した。)

講師の山井綱雄先生の話が面白く、あっと言う間の2時間だった。今回のテーマは「能の歴史としくみを知る」だったが、話がどんどん広がって色々なエピソードも出てきて、余談ばかりのような気もするのに、しっかり歴史としくみも説明されていた。

まずは「しくみ」の部分。能と狂言の関係、四役(シテ方、ワキ方、囃子方、狂言方)の紹介。それぞれが一種の職人集団として独立していて、お互いの仕事を兼ねることができないこと。主役をやる人がシテと呼ばれるのかと思っていたら、シテ方の人の仕事の一つが主役だった。仮面をつけて演じるシテは、人にあらざる者、神がかった存在であり、シテがいる舞台と見所(客席)の間を繋ぐのがワキであり、仮面をつけず物語の進行役という説明で、同じ舞台にいても全く違う役割を担っていることを知って、なるほどと思った。先生としては、現在、ワキ方が減ってきていることを憂いていた。

次に能面の説明。持参いただいた小面を例に、面をつけると視野が狭くなること、微妙な角度で表情に変化が出るので、楽屋に入って最初にするのが面あて(額と頬につける)の調整であることなどのお話。

能の歴史については、風姿花伝より神話の時代からの伝承、世阿弥と足利義満の関係、豊臣秀吉に愛好されたこと、江戸時代に幕府に保護されたことなどが語られた。途中で、流派ごとの説明があったけれど、ノートを取りきれないくらいだった。

以上が今回のテーマに沿った内容だが、それ以外に授業の中で語られたメッセージの一つは、このまま放っておくと能は滅んでしまうということ。能を見たことがない人が多く、バックに国や企業があるわけでもない状況。後継者を育てるにも時間がかかるので、色々な形で、日本人に興味を持ってもらうのが大事ということ。

もう一つは「しくみ」の説明の中で語られたのだけれど、舞台の前に集まって練習をする機会は少ないが、本番では指揮者がいなくてもピッタリと合うのが、他の国の人から驚かれた。本番の舞台上で各自の技量をぶつけ合って真剣勝負をしている。(だから連続公演というのはしないとも言っていた。)漫然と形式に則って演っていると思ってはいけないのだと思った。






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