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2020年08月01日10:05

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お金の幻想:機械屋さんはかく語る その61

お金が欲しい。
これは誰もが思っていることだろう。
現代の社会構造の中で生きていこうとすれば、ただ生活をするだけでもお金がかかる。
趣味を持っていればなおさらだ。
私だって例外ではない。
贅沢な暮らしをしたいわけではないが不自由を感じない生活レベルを維持するのにしてもお金はかかる。
ましてや私の場合は車が趣味なのでいくら生活必需品となっていて軽自動車に乗っているとしても、人よりランニングコスト面でお金をかけている。
それにやっぱり自分の好きなRX-7やランエボに乗ってみたい気持ちがないわけではないが、そこにはお金という現実が立ちはだかる。
ただお金持ちになりたいかと聞かれると、実はその点においてはあまり興味がなかったりする。

お金とはそもそも人間社会を円滑に回すための道具でしかなく、各国が発行する紙幣自体には価値がない。
人間1人に出来る事はたかが知れており、だからこそ互いにやれない事を補って生計を立ててきたのだが、物々交換のままでは効率が悪く不公平感も高まる。それを失くすために生まれたのがお金だ。
仕事の代価の担保として必要であるからこそお金は欲しい。
でも実世界においてそれ以上のモノはお金は生まない。だから自分が必要と思う以上の金額を持ったところで幸せとは感じないだろうから、金持ちになりたいとは思わない。そんなところだ。
これを証明するように、経済学者のダニエル・カーネマンが唱えた「年収800万が幸福度のピーク」説は有名な話である。

コロナウイルス蔓延によって副業の類や金融商品に関連する動画の閲覧数が伸びた。
などと言われているが、実際の所それは自粛期間によって家にいる時間が長かったことが要因として大きく、その下地となる人々の興味関心の高さは去年・一昨年から変わっていなかったりする。
テレビや経済各紙は好景気だと謳っていたが、それだけ好景気の実感の抱けない人や先行きの不安を拭えなかった人が多かった訳だ。当然その当時から金儲けのハウツー本やビジネス関連の書籍の受けは良かった。
だけどそのなかにおいてそもそも論である何故お金が必要でどのくらい稼ぎたいのかにフォーカスした物は多くはなかった。
皆行きつくところはもっと稼ぐようになるには一点のみ。
お金持ちになれば幸せになるという幻想は本当かを論じた人はいない。

別に金を稼ぎ稼ぎ続ける事が悪だとは断じない。
寧ろそこに善悪はない。
「もっと」を追求するのも人の性だ。
ただ際限のない「もっと」は次第に人の自由を奪い、時に人を破滅させる。
かつてアメリカウォール街最大の金融詐欺事件の犯人として逮捕されたバーナード・L・マドフは、何故莫大な資産を持っているにもかかわらず詐欺のような勧誘活動を続けたのかという問いに「私にもなぜか分からず、止まる事も出来なかった」といった趣旨の回答をした。
改めて言うが金を稼ぎ続ける事は悪ではない。
が、必要以上に集めたとして、果たしてそこに求めていた幸せはあるのかは考える必要がある。
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