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2020年02月24日23:39

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走れ伝令兵

 遅れたらセリヌンティウスどころではない、1600人の友軍が罠に向かって突撃してしまう。

 今日は60キロほど先にあるジュンク堂と映画館に行ってきた。ジュンク堂ではずっと探していた本が買えた。前作がちくま文庫だから何気なく店員に探してもらったのだが、まさか続編が成人指定の棚にある本だとは思わなかった。探してもらった手前、こちらが狼狽えるわけにもいかなかったし成人して久しいのできりっとした表情でごまかした。
 映画館はいつも行っているところよりも遠く、IMAXがある所へ行った。1917はIMAXで観たかった。何気なく選ばれた伝令兵がイギリス軍の塹壕からドイツ軍の敵地を走り抜けて友軍に攻撃中止命令を届ける話で、第一次世界大戦が舞台になる。ソンムよりもあとの話だということは劇中の台詞でわかる。ソンムならJ・R・R・トールキンの伝記映画がまさにソンムだった。あの時代の映画を短期間に2つ観たことになるのだが、どちらも塹壕と砲弾穴にまみれた地獄の光景が広がっていて、死者の沼地がどこから生まれたのかはっきりわかる。
 塹壕、死体、砲弾穴、草原、サクランボの花、牛、鉄条網、絡まる死体、鼠、怯える市民、母親がわからない赤ん坊、銃声、燃える町、死体だらけの川、花びら、歌声、突撃、あらゆる地獄は多くの人間一人ひとりが集合して大きな目的と努力で生み出すのだとわかってしまう。そこに美しいものがあるから余計に残酷で、穏やかというものが犠牲なくあることは戦場ではまれなことだということも染み込むようにわかる。
 いい作品だった。
 どこにベネディクト・カンバーバッチが出ていたのかわからない。
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