旧制第八高等学校寮歌

伊吹おろしの雪消えて♪

木曽の流れに囁（ささや）けば♪

光に満（み）てる国原の♪

春永劫（はるえいごう）に薫るかな♪



夕陽（ゆうひ）あふれて草萌る♪

瑞穂（みずほ）が丘に佇（たたづ）めば♪

零（こぼ）れ地に咲く花菜（はなな）にも♪

うら若き子は涙する♪



見よソロモンの栄耀（えいよう）も♪

野の白百合に及（し）かざるを♪

路傍（ろぼう）の花にゆき暮れて♪

はてなき夢の姿かな♪



花に滴（したた）る日の水沫（みたま）♪

命（めい）の啓示（さとし）を語るとき♪

希望（のぞみ）に滾（たぎ）る若き頬（ほ）を♪

はるかに星はてらすなり♪



神秘の闇のおとづれに♪

いつしか寮の灯火は♪

瞬（またた）きそめてわれを待つ♪

地上の夢よいざさらば♪



沓靄融（りょうあいと）けし丘の上に♪

いづくともなく春をよぶ♪

歌やすらかにながれ来る♪

紺青（こんじょう）の月影濃けれ♪

紺青（こんじょう）の月影濃けれ♪

https://www.youtube.com/watch?v=NmaZFpNjxlY