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2021年02月26日20:22
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さいたま市 古民家園巡り��
1月28日、午後から雪が降った日、電車と徒歩でさいたま市の「浦和くらしの博物館民家園」「旧坂東家住宅 見沼くらしっく館」を巡って来た。これらの民家園には、復原保存された藁葺家屋が展示されている。
当初、この古民家巡りはロードバイク（自転車）の輪行で行く予定であった。実際、昨年の夏に2回、4年8ヶ月ぶりにロードバイクに乗ってサイクリングに行った。ロードバイクをバラして組み立てる練習もした。しかしながら、実際の輪行はどうにも億劫だ。コースは東浦和駅と北浦和駅をロードバイクで漕いで繋ぐものだが、様々な検討を重ねた結果、徒歩で行けなくもない。
このコースでは、2つの民家園を巡った後、「見沼天然温泉 小春日和」なる温泉施設に寄るつもりだったのだが、よく調べるとこの温泉施設には北浦和駅までの無料送迎バスがある。また、温泉の後、コース後半に寄るつもりであった「浦和博物館」が今年3月まで休館であることを知る。てことは、温泉入湯をコース最後の目的に設定して、無料送迎バスを有効活用すれば、徒歩でも十分に行ける。最後は北浦和駅の近くで食事をしたい店があるから、ちょうど良い。
かくして、電車と徒歩と無料送迎バスを使っての古民家巡りの計画を立てた。なお、天気予報は曇りであった。よって「曇りの日に山に行っても、見晴らしはないし、寒いしな…」ということもあって、今回の古民家巡りとなったわけなのだが。
2021年1月28日に旅す。
6:10起床。7:10自宅出発。7:38東府中駅発の京王線に乗り、分倍河原でJR南武線、府中本町駅でJR武蔵野線に乗り換え、8:42東浦和駅に到着。見ると、「東浦和駅」から出ているバスには「浦和駅東」行きというのがある。どうにも紛らわしい。YAMAPのGPSを発動させて、散策を開始する。
東浦和駅から徒歩で東に進み、まずは見沼通船堀公園に入る。公園の入口は竹林となっており、「竹林保護の為、竹の子を採らないでください さいたま市」との看板が立っていた。公園内を流れる小川が、見沼通船堀へと繋がっている。
見沼通船堀から少し外れ、一般舗装道路沿いに建っているのが「鈴木家住宅」。瓦葺屋根の古民家で、現在も個人所有で人が住んでいるため内部は無断立入禁止。この日は平日だったが、土日にはこの住宅で復元した船の公開展示をしているらしい。
見沼通船場には、数々の種類の鳥がいた。コサギは足で浅瀬をガサガサしながら餌探しをしていた。ツグミは「美味しんぼ」で「美味しいけど食用が禁じられ、それでも密猟が行われている」鳥として憶えている。オナガは文字通り尾が長く、東日本にしかいない鳥らしい。
見沼通船堀が芝川と交差したら、そこから芝川沿いを北に移動する。芝川は荒川水系の支流らしい。この芝川沿いにも多くの鳥が見られた。画像はクロガモの群れ。他にも、ヒヨドリ、ムクドリは野鳥の定番である。俺も里山登山に行くようになり、いつのまにかすっかり鳥の名前に詳しくなった。実際には、種類名を事後調べの鳥も結構あるけど。
芝川第一調節池まで来ると、アオサギの姿が見られた。写真を撮ろうとしてデジカメを取り出して構えたら、飛んで逃げられてしまい、望遠で撮影。
周囲にはバスーガ・レンズの一眼レフカメラを持ったバードウォッチャーらしき高齢男性がいた。平日だから（俺のようなシフト制勤務でない限り）仕事は定年リタイア組だろう。「鳥の撮影ですか？」と声をかけてみたところ、「なかなか見つからない」と短く返答された。どうやらレア物狙いの様子。てことは、カワセミ狙いだろうか？
土手の道を歩いていると、右側に藁葺の屋根が見えて来た。
「浦和くらしの博物館民家園」に到着。ここには5つの藁葺家屋（いずれも寄棟造り）を含めた大小7つの伝統的建造物が移築復原されている。入場無料で、程よくコンパクトにこじんまりとしていて良い感じの民家園である。表に回って、まずは入口の看板を撮影し、中へと入る。
「旧浦和市農業協同組合 三室支所倉庫」。国登録文化財。大谷石と漆喰でできた土蔵造りの石蔵で、元々は米や干瓢（かんぴょう）の倉庫であったらしい。現在は展示館になっており、建物内の一部は普通に実際の倉庫として使われていた。そういや10年以上前、宇都宮市駅からバスに乗り、大谷石の大谷資料館を観に行ったことがあったっけ。俺も関東近辺が中心だが、いろんなところを訪れたんだなあ。
藁葺屋根の「旧高野家住宅」。市指定文化財。商家の一部のみを移築したもの。もっと大きかった家屋の一部のみをこちらに移築復原している。明治後期から煎餅（せんべい）屋を営んでいた商家で、屋内にはせんべい関係の展示がある。当時は、客が米を持ち込んて、それを煎餅に加工して、加工費を貰うような商売もしていたらしい。
この旧高野家には「離れ座敷」があり、民家園から距離の離れた場所に展示保存されているという。この離れ座敷も小規模な茅葺家屋の寄棟造りの建物ということで、藁葺マニア的には興味がある。ただ、自転車で行くなら民家園からすぐだが、徒歩では（この後に見沼くらしっく館を訪れることを鑑みると）遠く、時間的にも体力的にも厳しい。しかも、その旧高野家離れ屋は土・日曜しか一般公開していないらしく、この日は木曜なので開いていない。藁葺家屋の外観だけなら見られるわけではあるけれど、まあ、今回は機会が合わなかったということで、パスすることにした。
旧高野家の隣に展示保存されている、白い塗屋造りの「旧綿貫家住宅」。市指定文化財。旧高野家同様、江戸末期あたりに建てられた商家で、この旧綿貫家は雑貨や肥料・小麦粉・砂糖などの「量り売り」をする店蔵であったという。
民家園敷地内に祀られている「稲荷社」。「稲荷」とは、元々は「稲成」という漢字だったらしい。稲が成る≒豊作祈願の意味合いがあるのだろう。
藁葺屋根の「旧野口家住宅」。江戸時代末期建築の市指定文化財。元々は寺の庫裏で、明治の初めに廃寺となって以降、野口家の母屋となっていた。
藁葺屋根の「旧武笠家表門」。江戸時代後期建築の市指定文化財。冠婚葬祭などの特別な日にのみ開閉されたらしい。作業場となる土間を持った長屋門で、農家の生活に即した機能性の高い建築物なのだそうだ。
旧武笠家表門の藁葺屋根の東側は苔生していた。東側だから本来なら日当たりは良いだろうに、おそらくは旧蓮見家住宅の屋根により日当たりが遮られるのであろう。
藁葺屋根の「旧蓮見家住宅」。江戸時代中期建築の市指定文化財。農家で、さいたま市内に現存する最古の民家らしい。なお、この浦和の民家園の建物はいずれも内部見学可なのだが、コロナ禍の影響か、各建物に説明員はいなかった。
藁葺屋根の小さな建造物、「旧中島家穀櫃」。江戸時代後期建築。農家の穀類を保存する板倉とのこと。
左から旧野口家住宅、旧武笠家表門、旧蓮見家住宅の並び画像。そういや白川郷の合掌造り集落でも、こうして3つの藁葺家屋が並んでいる構図で写真が撮れるポイントがあったっけ。
探してみたら見つかった、白川郷の並び画像。実際の雰囲気は、この浦和の民家園とはだいぶ異なるが。
何らかの廃墟。何これ？ 廃墟マニア的には凄く気になる。実際には、民家園の敷地外の廃墟建造物だが、民家園の中から普通に外観が見えるので、これも展示家屋の1つ？と勘違いする人もいなくはなかろう。
民家園の池には枯れた植物がたくさん生えていて、「古代蓮」の看板が立てられている。今は冬だから枯れているが、暖かい時期には蓮の花が群咲するのであろう。この古代蓮とは、昨年夏にロードバイクで訪れた、町田市の薬師池公園に群咲していた「古代蓮」と先祖を同じとするものだろう。すなわち、町田市の紀元前の地層から種が出土し、発芽して成長した蓮の分け株の子孫ということか。
続いて、さらに芝川沿いを北上し、「旧坂東家住宅 見沼くらしっく館」を目指す。続く。
当初、この古民家巡りはロードバイク（自転車）の輪行で行く予定であった。実際、昨年の夏に2回、4年8ヶ月ぶりにロードバイクに乗ってサイクリングに行った。ロードバイクをバラして組み立てる練習もした。しかしながら、実際の輪行はどうにも億劫だ。コースは東浦和駅と北浦和駅をロードバイクで漕いで繋ぐものだが、様々な検討を重ねた結果、徒歩で行けなくもない。
このコースでは、2つの民家園を巡った後、「見沼天然温泉 小春日和」なる温泉施設に寄るつもりだったのだが、よく調べるとこの温泉施設には北浦和駅までの無料送迎バスがある。また、温泉の後、コース後半に寄るつもりであった「浦和博物館」が今年3月まで休館であることを知る。てことは、温泉入湯をコース最後の目的に設定して、無料送迎バスを有効活用すれば、徒歩でも十分に行ける。最後は北浦和駅の近くで食事をしたい店があるから、ちょうど良い。
かくして、電車と徒歩と無料送迎バスを使っての古民家巡りの計画を立てた。なお、天気予報は曇りであった。よって「曇りの日に山に行っても、見晴らしはないし、寒いしな…」ということもあって、今回の古民家巡りとなったわけなのだが。
2021年1月28日に旅す。
6:10起床。7:10自宅出発。7:38東府中駅発の京王線に乗り、分倍河原でJR南武線、府中本町駅でJR武蔵野線に乗り換え、8:42東浦和駅に到着。見ると、「東浦和駅」から出ているバスには「浦和駅東」行きというのがある。どうにも紛らわしい。YAMAPのGPSを発動させて、散策を開始する。
東浦和駅から徒歩で東に進み、まずは見沼通船堀公園に入る。公園の入口は竹林となっており、「竹林保護の為、竹の子を採らないでください さいたま市」との看板が立っていた。公園内を流れる小川が、見沼通船堀へと繋がっている。
見沼通船堀から少し外れ、一般舗装道路沿いに建っているのが「鈴木家住宅」。瓦葺屋根の古民家で、現在も個人所有で人が住んでいるため内部は無断立入禁止。この日は平日だったが、土日にはこの住宅で復元した船の公開展示をしているらしい。
見沼通船場には、数々の種類の鳥がいた。コサギは足で浅瀬をガサガサしながら餌探しをしていた。ツグミは「美味しんぼ」で「美味しいけど食用が禁じられ、それでも密猟が行われている」鳥として憶えている。オナガは文字通り尾が長く、東日本にしかいない鳥らしい。
見沼通船堀が芝川と交差したら、そこから芝川沿いを北に移動する。芝川は荒川水系の支流らしい。この芝川沿いにも多くの鳥が見られた。画像はクロガモの群れ。他にも、ヒヨドリ、ムクドリは野鳥の定番である。俺も里山登山に行くようになり、いつのまにかすっかり鳥の名前に詳しくなった。実際には、種類名を事後調べの鳥も結構あるけど。
芝川第一調節池まで来ると、アオサギの姿が見られた。写真を撮ろうとしてデジカメを取り出して構えたら、飛んで逃げられてしまい、望遠で撮影。
周囲にはバスーガ・レンズの一眼レフカメラを持ったバードウォッチャーらしき高齢男性がいた。平日だから（俺のようなシフト制勤務でない限り）仕事は定年リタイア組だろう。「鳥の撮影ですか？」と声をかけてみたところ、「なかなか見つからない」と短く返答された。どうやらレア物狙いの様子。てことは、カワセミ狙いだろうか？
土手の道を歩いていると、右側に藁葺の屋根が見えて来た。
「浦和くらしの博物館民家園」に到着。ここには5つの藁葺家屋（いずれも寄棟造り）を含めた大小7つの伝統的建造物が移築復原されている。入場無料で、程よくコンパクトにこじんまりとしていて良い感じの民家園である。表に回って、まずは入口の看板を撮影し、中へと入る。
「旧浦和市農業協同組合 三室支所倉庫」。国登録文化財。大谷石と漆喰でできた土蔵造りの石蔵で、元々は米や干瓢（かんぴょう）の倉庫であったらしい。現在は展示館になっており、建物内の一部は普通に実際の倉庫として使われていた。そういや10年以上前、宇都宮市駅からバスに乗り、大谷石の大谷資料館を観に行ったことがあったっけ。俺も関東近辺が中心だが、いろんなところを訪れたんだなあ。
藁葺屋根の「旧高野家住宅」。市指定文化財。商家の一部のみを移築したもの。もっと大きかった家屋の一部のみをこちらに移築復原している。明治後期から煎餅（せんべい）屋を営んでいた商家で、屋内にはせんべい関係の展示がある。当時は、客が米を持ち込んて、それを煎餅に加工して、加工費を貰うような商売もしていたらしい。
この旧高野家には「離れ座敷」があり、民家園から距離の離れた場所に展示保存されているという。この離れ座敷も小規模な茅葺家屋の寄棟造りの建物ということで、藁葺マニア的には興味がある。ただ、自転車で行くなら民家園からすぐだが、徒歩では（この後に見沼くらしっく館を訪れることを鑑みると）遠く、時間的にも体力的にも厳しい。しかも、その旧高野家離れ屋は土・日曜しか一般公開していないらしく、この日は木曜なので開いていない。藁葺家屋の外観だけなら見られるわけではあるけれど、まあ、今回は機会が合わなかったということで、パスすることにした。
旧高野家の隣に展示保存されている、白い塗屋造りの「旧綿貫家住宅」。市指定文化財。旧高野家同様、江戸末期あたりに建てられた商家で、この旧綿貫家は雑貨や肥料・小麦粉・砂糖などの「量り売り」をする店蔵であったという。
民家園敷地内に祀られている「稲荷社」。「稲荷」とは、元々は「稲成」という漢字だったらしい。稲が成る≒豊作祈願の意味合いがあるのだろう。
藁葺屋根の「旧野口家住宅」。江戸時代末期建築の市指定文化財。元々は寺の庫裏で、明治の初めに廃寺となって以降、野口家の母屋となっていた。
藁葺屋根の「旧武笠家表門」。江戸時代後期建築の市指定文化財。冠婚葬祭などの特別な日にのみ開閉されたらしい。作業場となる土間を持った長屋門で、農家の生活に即した機能性の高い建築物なのだそうだ。
旧武笠家表門の藁葺屋根の東側は苔生していた。東側だから本来なら日当たりは良いだろうに、おそらくは旧蓮見家住宅の屋根により日当たりが遮られるのであろう。
藁葺屋根の「旧蓮見家住宅」。江戸時代中期建築の市指定文化財。農家で、さいたま市内に現存する最古の民家らしい。なお、この浦和の民家園の建物はいずれも内部見学可なのだが、コロナ禍の影響か、各建物に説明員はいなかった。
藁葺屋根の小さな建造物、「旧中島家穀櫃」。江戸時代後期建築。農家の穀類を保存する板倉とのこと。
左から旧野口家住宅、旧武笠家表門、旧蓮見家住宅の並び画像。そういや白川郷の合掌造り集落でも、こうして3つの藁葺家屋が並んでいる構図で写真が撮れるポイントがあったっけ。
探してみたら見つかった、白川郷の並び画像。実際の雰囲気は、この浦和の民家園とはだいぶ異なるが。
何らかの廃墟。何これ？ 廃墟マニア的には凄く気になる。実際には、民家園の敷地外の廃墟建造物だが、民家園の中から普通に外観が見えるので、これも展示家屋の1つ？と勘違いする人もいなくはなかろう。
民家園の池には枯れた植物がたくさん生えていて、「古代蓮」の看板が立てられている。今は冬だから枯れているが、暖かい時期には蓮の花が群咲するのであろう。この古代蓮とは、昨年夏にロードバイクで訪れた、町田市の薬師池公園に群咲していた「古代蓮」と先祖を同じとするものだろう。すなわち、町田市の紀元前の地層から種が出土し、発芽して成長した蓮の分け株の子孫ということか。
続いて、さらに芝川沿いを北上し、「旧坂東家住宅 見沼くらしっく館」を目指す。続く。
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