しきしまや高円(たかまと)山の雲まより光さしそふゆみはりの月
堀河院御歌
雲間微月といふ事を
新古今和歌集 巻第三 秋歌上 383
「磯城島、そこにたかだかと聳える高円山の雲間から、ほのかに峰に光をあてている弓張月よ。」『新日本古典文学大系 11』p.122
言葉和歌集 雑上。
微月 かすかな光を放つ月。
しきしま 普通「やまと」の枕詞として用いられるが、ここは「やまと」の別名。「高い」の名をもつ高円山に一層けだかさを添えるための修辞。
高円山 春日山の南に続く。円(まど、古くは清音)から的(まと)を導き、「的」「さ(射)し」「弓」と縁語で繋ぐ。
ゆみはりの月 八雲御抄三[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書]「非三日月、半月也。是、故人説也」。
「月前言志」の歌ではなく配列疑問。二首の天皇詠に並べて置いたか。
堀河院(ほりかわいん 1079-1107)第七十三代天皇。白河天皇第二皇子。鳥羽天皇の父。
長治二年(1105)、最初の応製百首和歌とされる「堀河百首」奏覧。
金葉集初出。新古今一首。勅撰入集九首。
https://goo.gl/ZWCwgF
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