mixiユーザー(id:1742219)

2020年06月15日20:10

158 view

「ANNA アナ」

最近多い女性エージェント映画である。

1980年代前半、CIAがソ連に送り込んだエージェントが次々と殺害された。
KGBの長官ワシリエフの仕業だった。

5年後、パリのモデルエージェントのスカウトが、モスクワの市場で魅力的な女性を見つける。
それがアナ(サッシャ・ルス)だった。
スカウトはアナに、生活はすべて面倒を見るからパリでモデルをしないかと誘う。
モスクワで大学生だったアナは少々迷うが、パリでモデルの仕事を始める。
アナはすぐに売れっ子となり、モデルエージェントのパーティに出席するようになった。
そこでモデルエージェントの共同経営者であるオレグと出会う。
オレグはソ連の出身で同郷という事もあり、すぐにアナを気に入った。
そしてしばらく付き合った後、アナをホテルのスイートルームに呼び出す。
オレグはアナに自分は貿易商と説明していたが、アナが仕事の内容を細かく説明すると、違法の商品を取り扱う事もある、それには武器も含まれると説明した。
するとアナは拳銃を取り出し、オレグの額を打ち抜いた。
アナは現場を立ち去るが、CIAのミラー(キリアン・マーフィー)から尋問を受ける。

3年前、両親を事故で亡くして身寄りのなかったアナは、強盗などの犯罪をする恋人と暮らしていた。
アナはそんな生活から抜け出そうと海軍に志願しようとしていたのだが、恋人のカード強盗に巻き込まれ逮捕されてしまう。
逮捕されたアナは、KGBのアレクセイ(ルーク・エヴァンス)にスカウトされる。
元々アナは父親が陸軍の大尉であったことから陸軍の士官学校に在籍、成績も優秀だったのだが、両親の事故死で退学していたのだった。
アレクセイは1年間のトレーニング、4年間のエージェント活動、その後は自由とアナに約束をする。
1年間のトレーニング後、アナはKGBの上官オルガ(ヘレン・ミレン)のテストを受ける。
ただのテストではなくオルガの仕掛けた罠があったが、アナはそのテストをクリアした。
アナはKGBのエージェントとして正式採用され、パリでオレグを殺す任務に就いていた。

パリで初仕事を終えたアナは、長官のワシリエフと面会する。
アナはアレクセイが約束した4年後の自由を信じていたのだが、ワシリエフは5年後も10年後もKGBで仕事をするのだ、とアナに告げる。
アレクセイとオルガが4年後に自由と言ったのは、4年間生きて在籍できたエージェントがほとんどいないためだった。
アナはショックを受けたが、オレグの事件の後もモデルエージェントに所属しながらKGBからのミッションを次々とこなした。

だが、そんなアナのヨーロッパでの仕事を、CIAのミラーが常に監視をしていた。

自由を求めるアナが、KGBとCIAに翻弄されながらミッションをこなすというストーリーだ。
アナは身体能力も高くミッションも的確にこなして行くが、KGBとCIAはそのアナを上手く使って有利に事を進めようと企んでいる。
CIAのミラーは、自分の部下のエージェントをワシリエフに皆殺しにされた恨みがあるのだ。
この2者の駆け引きに、アナは巻き込まれながらも間一髪で窮地を乗り越えていく。
その展開と見せ方が巧い。
リュック・ベッソンらしくテンポもいい。
偏屈ババアのオルガ、小役人のアレクセイ、二枚目気取りのミラー、冷徹なワシリエフのキャラ設定も機能している。

超ハードボイルドの「アトミック・ブロンド」、変化球の「レッド・スパロー」のちょうど間に位置するくらいの女性エージェント作品で、エンターテイメントという面で言えばこの映画が一番面白かもしれない。


62.ANNA アナ
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する