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2020年06月12日20:02

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「一度死んでみた」

広瀬すずの主演が売りだけの、グダグダスベり系コメディかと思って観に行ったが、想像よりきちんとまとまっていてきちんと面白かった。

野畑七瀬(広瀬すず)はデスメタルバンドのボーカルをしている大学4年生で、父の計(堤真一)が大嫌いだった。
幼少の頃は父から元素記号を教えられるなど仲が良かったのだが、製薬会社社長の父は研究に没頭するあまり母(木村多江)の死に目にも駆け付けなかった。
それゆえ、父から製薬会社に入社するよう言われるが、拒否をし続けていた。
そんな娘を見守るために、計は秘書の松岡(吉沢亮)を監視役に付けた。
松岡は「ゴースト」と呼ばれるほどまったく存在感がなく、監視役にうってつけだったのだ。

計の製薬会社は、若返り薬「ロミオ」の開発中だった。
その薬を狙って「ワトスン製薬」の社長田辺(嶋田久作)が合併話を持ち掛けてくる。
しかし計は、経営再建のために渡部(小澤征悦)を採用したため合併は不要だと断る。
だが渡部は、「ロミオ」の開発データを探るために田辺が送り込んだスパイだった。

「ロミオ」の開発を担当していた藤井(松田翔太)は、その過程で「2日間だけ仮死状態になる薬」である「ジュリエット」も開発していた。
計は田辺が社内にスパイを送り込んでいることを懸念していたが、渡部は計が2日間だけ死ねばその時の状況でスパイをあぶりだせると進言、計に「ジュリエット」を飲ませてしまった。
そしてそのことを偶然、松岡が知ってしまう。
渡部は「ロミオ」の開発データを探したがそう簡単には見つからない、すると計が仮死状態のうちに娘の七瀬を社長に祭り上げ、合併話を強引に進めようとする。
しかし、当初は簡単に攻略できそうだった取締役たちが、なかなか合併に賛成しない。
そうこうするうちに計が仮死状態から目覚めてしまう。
すると田辺は、計が目覚める前に火葬をすることを提案する。

一方七瀬は、急に会社の社長に担ぎ上げられるが、元々父親が嫌いなので拒否する。
しかし計が仮死状態である事を知っている松岡は、なんとか七瀬を説得して計の火葬を遅らせようとする。
事情を知った七瀬は松岡に協力をするものの、田辺と渡部はあの手この手でなんとか計を火葬しようとする。

ストーリーとしては、勢いだけと言ってしまえばそれまでだ。
しかし無駄なシーンを入れずにテンポよく約90分でまとめているので、観ていて飽きることはない。
脇役陣にも実力者をそろえていて、特に堤真一はこういうコメディに向いている。
他の人が演じていればスベりそうな演技もそつなくこなしていた。
他にも、竹中直人や妻夫木聡をかなりの脇役で起用し、さらに佐藤健や城田優などが不意打ちのように一瞬だけ登場する部分でも笑えた。

世の中がこういう状況と言う事もあり、想像以上に楽しめた作品だった。


61.一度死んでみた
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