mixiユーザー(id:1742219)

2020年03月15日16:52

106 view

「スキャンダル」

アメリカのCATVのFOXTVで数年前に実際に起こった、CEOのセクハラをテーマにした作品である。
映画の冒頭に字幕で表示されるが、ニュース映像は実際の映像が流され、登場人物も実名になっている。
おそらくは、ほぼ事実に沿った作品になっているのだろう。

FOXニュースのキャスターであるメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)は、FOXニュースが共和党にく自分も共和党の大統領候補討論会の司会を務めているにも関わらず、その討論会でドナルド・トランプの女性蔑視を糾弾してしまう。
当然トランプは激怒、当初はtwitterでの発言程度の攻撃であったが、ある日メーガンのコーヒーに毒物が混入されてしまう。
確たる証拠はなかったが、FOXTVのCEOであるロジャー・エイルズはメーガンに警する一方、争いは視聴者の興味をそそると言って沈静化を図らず、メーガンに少し休養するよう言い伝えた。

エイルズはFOXTV躍進の功労者だ。
彼の手腕でFOXTVは米3大ネットワークと並ぶ人気チャンネルとなり、オーナーであるメディア王ルパート・マードックからも絶大の信頼を得ていた。
エイルズは経営をすべて任され、ほぼ独裁者と同じ地位にいた。
彼の手法の一つは、女性キャスターを競わせることである。
ニュース番組でも短いスカートをはかせて脚を見せ、それをロングショットで映して視聴率を稼ぐのだ。
そのためFOXTVのキャスターは全員短いスカートをはき、脚の美しさが抜擢の大きな要素になっていた。
その手法は見事に当たって視聴率をアップさせたのだが、女性キャスターたちは脚を見せるだけではなくエイルズから性的関係を要求される事もあり、応じないとすぐに番組から外されていた。

かつての人気キャスター、グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)もその一人であった。
グレッチェンは降格で担当させられていた昼の番組で、ノーメイクで出演するなどFOXTVだけではなく世間の女性蔑視に警鐘を鳴らそうとしていたが、ある日エイルズの一言で番組をクビになってしまう。
局を追われたグレッチェンはFOXTVを告訴しようとするが、弁護士たちから今後の仕事を考えるとあまりいい方法ではない、やるならばエイルズ一人を告訴した方がいいとアドバイスされる。
グレッチェンはエイルズを告訴するために証拠集めを始めるが、一番有効な方法は自分同様、実際にセクハラを受けた女性キャスターの証言を得る事であった。
しかし当然、証言をすれば現在の職を追われることになるため、証言をしようとする者は現れなかった。

グレッチェンが局を去る前、同じ番組で仕事をしていたケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)は人気番組抜擢される。
グレッチェンの制止を振り切って新番組に加わったケイラだったが、初日にメインキャスターのビル・オライリーにこっぴどくダメ出しされてしまった。
グレッチェンの番組に戻るわけにも行かないケイラは、エイルズにビルの番組から外されないように頼み込むがエイルズからはスカートの丈をギリギリまで上げろと言われる。
ケイラはエイルズの前でスカートの丈をずり上げ、パンツを露出した。

グレッチェンが行ったエイルズの告訴は当然ニュースになっていたが、メーガンは静観していた。
およそ1年の期間を経てトランプと和解したメーガンにとって、わざわざFOXTVを裏切るような行為をする必要はない。
一緒に働く番組のクルーからも、FOXを裏切る行為は自分たちにも火の粉がかかるのでやめて欲しいと懇願される。
だがメーガンの元には、次第にエイルズの被害を訴える声が伝わってきた。
その中にはケイラも含まれていた。

事実に近いストーリー構成という事で、同時進行だった2017年のアメリカ大統領選の話題も組み込まれている。
メーガンがトランプを糾弾する発言をすることで、街中で共和党支持者から罵られるシーンもある。
メーガンが女性蔑視を嫌うという設定を強調しているのだとは思うが、たびたびメーガンとトランプの関係エピソードが組み込まれてきて、その部分が日本人にはややわかりづらくなっている。
日本でも女性に支持されても良さそうなテーマなのに、それほど話題にならなかったはこのあたりがわかりづらいからかもしれない。
本人にかなり似ているとの話だが、シャーリーズ・セロンのメーガンとニコール・キッドマンのグレッチェンが似ていてパッと見で区別がつきづらいのも、ストーリーをわかりづらくさせていたのかもしれない。


47.スキャンダル
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する