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2020年02月29日23:31

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ギンレイの2本(20200229)

今回のギンレイはアジア映画2本。
最近ギンレイはアジア映画が多い。

まずインド映画の「あなたの名前を呼べたなら」。
ラトナは夫を亡くした後、夫の家から都会に住み込みの家政婦として働きに出ていた。
妹の学費のために仕送りもしている。
雇い主は、ある企業の社長の息子のアシュヴィンだ。
アシュヴィンは婚約者のサビナと結婚式を挙げる直前、サビナの都合をキャンセルしていた。
傷ついているアシュヴィンに対し、ラトナは献身的に世話をした。

ラトナには、ファッションデザイナーになるという夢もあった。
アシュヴィンの許しを得て、昼間の数時間服飾の学校に通い裁縫を覚えた。
そして妹のドレスやアシュヴィンのシャツを作ったりした。

アシュヴィンの姉や母親はアシュヴィンを心配して、今後の事を考えろとせっつくが、アシュヴィンはそういう気になれなかった。
そんな中、アシュヴィンはラトナに好意を抱く。
アシュヴィンは元々アメリカでライターをしていたのだが、兄が死亡したためインドに呼び戻されていた。
そのためアメリカ的感覚が強く、身分が異なるラトナに対しても、恋人として接しようとした。
だが未亡人でもあるラトナは、アシュヴィンの好意をまともに相手にすることはなかった。

インド映画と言えば、カテゴリーを問わずとにかく長い印象だ。
現地では上映途中に休憩を挟むらしい。
だがこの映画は100分ほどの上映時間で、舞台はインドだが内容はラブストーリーである。
インドの風習が描かれているものの、身分の差が障害となるよくあるラブストーリーで、メリハリがなく目新しい部分もあまりない。
ちょっと期待とは異なる内容の映画だった。

続いてベトナム映画の「第三夫人と髪飾り」。
19世紀のベトナム、14歳のメイは大地主の3番目の妻として嫁いできた。
第一夫人のハにはそろそろ結婚する年の息子がいたが、第二夫人のスアンは女の子3人を生んでいるものの、男の子を生んでいなかった。
メイは使用人の老女から、男の子を生んでいないから第二夫人は正式には夫人ではない、あなたも男の子を生みなさいと教えられる。

メイは年があまりかわらない第二夫人の娘二人と仲良くする。
そして嫁いできたばかりという事もあり主人から寵愛されるのだが、第一夫人も第二夫人もメイにやさしく接してくれた。
特に第二夫人のスアンは色々なことを教えてくれたため、メイはスアンに憧れを抱くようになっていた。
だがある日、第一夫人の息子ラオとスアンが愛しあっているの目撃してしまう。

ベトナムの美しい自然を背景にした、耽美な作品である。
監督は女性でこの作品が長編デビュー作であるが、スパイク・リーがその才能を絶賛している。
たしかに映像は非常に美しく、とてもデビュー作とは思えない。
だが、ストーリーのつなぎ方がぎこちない。
十代半ばで会ったこともない男に嫁ぎ、そこで男の子を生まなけれ正式な夫人と認められない。
古いベトナムの因習を題材にし、そこにラオとスアンのスキャンダラスな関係を持ち込むなど、全体の構成要素は悪くない。
しかし先に伏線を張っておくなど映画としての小技がないため、時間の流れのままに語られるエピソードをそのまま受け入れることになってしまう。
結果的にこの映画も、メリハリが少ない映画になってしまっている。
ただ、デビュー作という事を考えるとそれほど悪い作品ではない。
監督の次回作に期待したい。


40.あなたの名前を呼べたなら
41.第三夫人と髪飾り
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