映画を観終わった後にWikiで調べたら、TVドラマの続編と言う作品であった。
名古屋の地上波で放映されたのち、dTVで配信されていたらしい。
迅(宮沢氷魚)と渚(藤原季節)は同性愛者で、学生時代は同棲していた。
だが迅の就職を控え、渚は同性愛者であることが世間に知られない方がいいと考え、別れる事決意する。
数年後、迅は勤めていた会社を辞め、田舎で自給自足の生活をしていた。
地域にも馴染み始めたある日、渚が子供を連れてやってくる。
子供は渚の娘だった。
迅は渚の娘を見て、裏切られたように感じる。
そんな迅の気持ちなどおかまいなしに、渚は迅の部屋で生活を始めるのだった。
渚は迅と別れた後、オーストラリアに渡りプロサーファーを目指したもののすぐに断念。
そこで通訳していた玲奈(松本若菜)と知り合い、子供ができた。
渚は、自分は女性を愛せるのだと思ったが、玲奈と暮らすうちにやはり自分がゲイであるという事を認識する。
そのことを玲奈に告げ、離婚を切り出すのだが、玲奈は当然ショックを受ける。
離婚自体の話は進むものの、娘の空の親権をめぐって裁判で争うことになってしまう。
迅はそんな渚の状況を戸惑いながら見ていたが、渚から、ゲイと言っても誰でもいいわけではなく迅の事を深く愛していると告白されて、心を動かしていく。
前日譚となるドラマを見ていないので、迅と渚の関係がよくわからない。
この映画だけを観た感想では、二人の関係の深さがそれほど伝わってこなかった。
そこに玲奈が登場するのだが、非常に気の強いキャラのため悪役となっている。
ただ、人間関係を冷静に俯瞰すれば、玲奈も被害者の一人だ。
ゲイである渚がその事を隠して玲奈と結婚し、子供まで作っている。
玲奈からすれば、突然ゲイだから離婚してくれと言われても、戸惑うばかりなのは当然だ。
渚もその事を自覚していて、周りに申し訳ないと思っているようだが、楽天的なキャラのためか行動が自由過ぎて真摯な態度とはいい難い。
少々ネタバレになってしまうが、ラストはなんとなく上手くまとまったようにも見えるが、最後まで玲奈が悪役に近い感じなので、ちょっと気の毒になってしまった。
ただ、玲奈と彼女の母親を悪役にすることで、ストーリーにはメリハリがついている。
渚に振り回される迅の押さえた役柄を、宮沢氷魚が上手く演じていた。
個人的にはなんだかスッキリしないストーリーだったが、おそらくドラマを見ている人なら十分楽しめる作品なのだろう。
29.his
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