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2020年01月30日07:10

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「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」

数々のトラブルを経てやっと映画化された作品で、前評判はハチャメチャ過ぎて理解が難しい、と言うものだったが、実際にはごく普通の映画であった。

CM監督のトビー(アダム・ドライバー)は、スペインでドン・キホーテを題材にしたCMを撮影していた。
だが制作は上手く行かず、上司のボスはクライアントのロシアのウオッカ王に交渉をしに行くこととなった。
ボスは自分の妻ジャッキに男が力寄らないように、トビーに見張りを託す。
トビーはジプシーから、自分が卒業時に制作したドン・キホーテのDVDを売りつけられた。
ジャッキに言い寄られるものの、トビーはDVDの方が気になる。
そして卒業制作の作品が、現在のすぐ近くで撮影していることを思い出した。
トビーは10年振りに、撮影した村を訪ねる。

ドン・キホーテ役を頼んだ靴職人のハビエルは、そのまま自分がドン・キホーテだと思い込んでしまっているらしい。
相棒のパンチョ役の男は、酒の飲みすぎで他界していた。
そして村の酒場の店主の話では、トビーのせいで店主の娘が勘違いしてマドリードに出て行ってしまっていた。
卒業制作の作品で、トビーは酒場の娘のアンジェリカを出演させていたのだ。
トビーは村はずれに監禁されていたハビエルの小屋を訪ねるが、そこでハビエルともみ合いになり火事を起こしてしまう。
トビーは慌てて小屋を出て、CM撮影の現場に逃げ帰る。
だが使用したバイクのナンバーから警察に捕まってしまった。
トビーが警察に連行されようとしたとき、ドン・キホーテとなったハビエルが現れて救い出してくれる。

かなり奇想天外な発想ではあるが、ドン・キホーテになりきったハビエルとトビーの、ロードムービーと言ってもいいかもしれない。
マドリードに行ったアンジェリカや、ボスの妻のジャッキがところどころで脈絡もなく顔を出してきたりするが、ハチャメチャという感じではない。
そして、ハチャメチャ感がそれほどないために、残念ながら映画としての面白さもそれほどでもない。
もっと派手にドタバタ喜劇や不条理な展開が繰り広げられるのかと思っていたのだが、ストーリーもそれほど無理はなく普通の展開であった。
むしろクライマックスで、ハビエルの生き方にちょっと感動してしまった。

想像していた内容とのギャップが激しすぎて、ちょっと評価が難しくなってしまった作品だ。


28.テリー・ギリアムのドン・キホーテ
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