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2020年01月29日08:35

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「シグナル100」

樫村怜奈(橋本環奈)は地方の高校の3年生だった。
学園祭を控えた文化の日に、担任の下部(中村獅童)は特別授業を行うと言って、生徒を視聴覚教室に集めた。
そして生徒たちに謎の映像を見せる。
するといきなり、数人の生徒がベランダから飛び降りてしまった。
そこに下部が現れて、高校を卒業して理不尽な社会に対応するために、生徒に催眠を掛けたという。
100のシグナルが設定されており、そのうち一つでもシグナルに触れる行為を行うと、自殺をしてしまうという催眠だった。
学校の敷地外に出る事、人に暴力をふるう事、泣く事、携帯で外に連絡をする事、この催眠の事を説明する事、などがシグナルに設定されているため、生徒は助けを呼ぶことができなかった。
しかも下部は、生徒の保護者には文化祭の準備で学校に泊まると連絡をしていた。
唯一催眠を解く方法は、最後の一人として生き残る事。
説明を聞いて生徒たちが途方に暮れるなかな、下部はベランダから飛び降りてしまう。

生徒が殺しあうと言う設定は「バトルロワイヤル」で、教師が狂気の末に学校内で凶行を実行すると言うのは「悪の教典」の設定である。
ズバリ言って、作品の最初から最後まで既視感が強すぎて、令和のこの時代になぜこの作品が映画化されたのかわからない。
しかも作品のキモとなる100のシグナルに、穴が多すぎて整合性がない。
100のうち64はカルト宗教の教えから採用されており、残りの36は教師である下部のオリジナルだが、どちらもこの催眠のために用意されたものではない、と言う設定になっている。
100のシグナルすべてが細かく説明されているわけではないが、「学校の敷地外に出る事」「泣く事」などは、どう考えてもこの催眠のために用意された設定だ。
さらに、最後の一人になったことを、誰がどう判断するのかの説明がない。
全員死んだと思って催眠が解けた後に隠れていた者が出てきたり、死んだと思っていた人間が息を吹き返した場合はどうなるのか。
シグナルの設定がグズグズのため、作品全体にも締まりがない。

話題となっている若手の役者を揃えて、「3年A組-今から皆さんは、人質です-」のような作品を作りたかったのかもしれない。
しかしそれにしては、基となるストーリーがあまりにもチープだ。
そして本当にハイレベルだった「3年A組〜」の出演者に比べて、演技力と言う点でも少々差が開きすぎている。
はっきり言って、きちんと演技ができていたのは橋本環奈と恒松祐里の二人だけだ。

ちょっと、何から何まで中途半端な作品と言わざるを得ない出来だった。


27.シグナル100
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