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2020年01月20日20:09

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「太陽の家」

長渕剛が主演の映画で、教条的なお涙押し売り的映画かと思って観に行ったが、予想に反してまずまず巧くまとまった人情映画だった。

川崎信吾(長渕剛)は先代頭領から島津組を継いだ大工だ。
人情に厚く、筋の通らないことを毛嫌いする一方、女好きの側面ももっている。

ある日信吾は、建築現場に現れたシングルマザー芽衣(広末涼子)と知り合い、彼女が困っていることを知って助ける。
そこに芽衣の小学生の息子の龍生が返ってくるのだが、小さい龍生を見た信吾は感情移入してしまい、必要以上に親子の間に入り込んでしまう。

以前信吾の家にやっかいになり、独立して左官屋となっていた高史(瑛太)が偶然この事を知り、信吾に女将さんの美沙希(飯島直子)と娘の柑奈(山口まゆ)を泣かすようなことをするなと注意する。
しかし信吾は聞き入れず、学校から帰宅した龍生を、芽衣に断りなく連れ出して大騒ぎになってしまった。
騒ぎになったことを詫びる信吾。
一方芽衣は病に患っており、しばらく入院しなければならなかった。
戸惑いながらも芽衣は龍生をしばらく信吾に託す。
美沙希は快く龍生を迎え入れるが、柑奈は龍生にやきもちを妬いて家を飛び出し、高史の部屋に転がり込んだ。
高史は再び信吾に意見をして、さらにこれまでの自分の思いもぶちまけるのだった。

冒頭で、信吾が頑固者で人の意見を聞かない人物だというシーンが描かれる。
その部分で、かつての長渕剛が主演したドラマ、映画のような頑固で気難しいキャラかと思ったが、そうではなく、その後は信吾が怒ったり怒鳴ったりするシーンはほとんどなかった。
自分の思った通りに突き進むという部分は一緒だが、人の話にもきちんと耳を傾ける。
やや意外ではあったがキャラが最後までブレておらず、この映画のいい面を引き出していた。

ただ、信吾のキャラがあまりにもいい人過ぎる気もした。
女好きと言う設定にはなっているものの、その部分も含めて人から責められるような行動は何一つ行っていない。
人間が出来すぎていてやや感情移入がしづらく感じた。
寅さんやルパン三世のように、もっとズッコケるシーンが多い方が、キャラとして愛されたのではないだろうか。

また、芽衣との出会いのシーンもあまりにも唐突だ。
通りすがりの芽衣が建築中の物件を見にきて知り合う、と言う設定なのだが、芽衣が最初から保険契約目当てで信吾にすり寄ってきた、と言う設定の方が、リアリティが出るし後のストーリー展開にも深みが出たと思う。

悪くない作品ではあるが、登場人物全員が善人で、ちょっと巧くまとめて過ぎてしまった感もあった。


18.太陽の家
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